保護者同意の必要性
回答者全体の591人に新成人の契約時の保護者同意の必要性を聞くと「必要だと思う派」は77.3%で過半数を占め、内訳は「とても必要だと思う」19.1%、「必要だと思う」30.3%、「どちらかといえば必要だと思う」27.9%となっている。
同回答者にクレジットカード・賃貸・携帯電話・ローンの保護者同意の必要性を聞くと、全項目において「必要だと思う派」が過半数を占め、特にローンの「必要だと思う派」が78.4%で最多となった。
■必要/不要の理由
新成人の契約時に保護者の同意は必要と回答した457人にその理由を聞くと「お金や契約の正しい判断ができない」が68.5%で最多となり、次いで「自身で分別をつけられない」が47.3%、「トラブル時の精神的余裕がない」が44.0%が上位の回答となっている。
一方、不要と回答した134人にその理由を聞くと「自立する良いきっかけになる」が46.3%で最多、次に「1人で対処する力がつく」が45.5%、「一度失敗して学ぶこともある」が35.1%が上位の回答となった。
調査結果まとめ
株式会社ライボ コミュニケーション戦略部 部長
広報グループ長兼「Job総研室長」
堀 雅一 氏
今回実施した「2023年 成人の自立意識調査」では、全体の7割が成人で「自立の意識はなかった」と回答し、特に社会人としての常識や経済力、判断力に自信がなかった回答が理由として多く挙げられました。
また、実際に自立を実感したのは「23~24歳」の回答が最多と、就職のタイミングで自立意識を持つ傾向が見られたことに加え、自立の条件として「自分で得た収入での生活」や「言動への責任感」、「決断力や判断力」が上位に挙げられたことから、働き始めることで一定得られる力が自立に繋がると読み取ることができます。
経済力も自立の条件として必要との意見が出る中、全体の6割が契約やお金に関する「失敗経験がある」と回答しています。具体的には「予算以上の買い物」や「クレジットカードの多額請求」が挙げられており、既に働いている社会人でさえも契約に関する失敗を経験していることがわかりました。
また保護者の同意がない新成人の契約には全体の5割が「反対」と回答し、その理由として全体の6割強が契約時の判断には「自信がない」と回答しています。
そして最後に、新成人の契約に保護者の同意の必要性を聞くと、全体の7割が「必要」と回答し、主要な契約先と考えられる「クレジットカード・賃貸・携帯電話・ローン」それぞれの保護者の同意の必要性でも「必要派」が過半数を占めました。
必要理由として「お金や契約の正しい判断ができない」や「トラブル時の精神的余裕がない」が挙げられた一方、不要派の理由としては「自立するきっかけになる」や「失敗から学ぶこともある」などお金の失敗は勉強になるとの意見が挙がりました。
18歳でも自由に契約することが可能になった今、自立には一定経済力も必要という”社会人の意見”を踏まえると、今後社会として若者を消費トラブルから守っていく仕組みの必要性だけでなく、社会人として経済力と判断力の両方を磨いていく必要性も見える調査結果となりました。
調査概要
調査対象者/現在職を持つすべての社会人JobQ Town登録者
調査条件/全国 の 20~50代男女
調査期間/2023年12月6日~12月11日
有効回答数/591人
調査方法/インターネット調査
関連情報
https://job-q.me/articles/15504
構成/清水眞希