LIFULL HOME’Sの調査(※)によると、住み替えを行った人が売却した物件の築年数は「築10年以上20年未満」(29.4%)が最も多く、次いで「築3年以上10年未満」(21.8%)となっている。
※:住み替え経験のある500人に聞いた「住み替えに関する意識調査」https://lifull.com/news/27784/
かつては、「マイホームは一生に一度の買い物」などと言われていたが、ライフステージや社会状況の変化によって柔軟に判断し、自宅の売却・新居の購入を行う人も増えているようだ。
今後も住み替えをしたいと考える人なら、「なるべく値下がりしない場所に家を買いたい」と思うのは当然だろう。
そこでLIFULL(ライフル)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」が、「10年前の新築マンション価格変動率ランキング(東京23区:行政区/駅篇)」を発表したので、詳細をお伝えしよう。
行政区篇: 23区すべてで上昇。中でも都心から南西エリアがより上昇率の高い結果に
<東京23区平均>
10年前新築マンション60m²価格:4,558万円
築10年中古マンション60m²価格:6,794万円
価格変動率:146.8%
本来、築年数が経過すると共に物件価格も落ちるもの。しかしながら、直近10年はマンション価格の上昇が続いていたために23区すべてが価格変動率100%超え、23区平均では146.8%となった。
一方で、1位の「目黒区」は倍以上の221.2%、最下位(23位)の「大田区」は102.1%となり、区によって上昇率には差異が見られる。
「目黒区」「品川区」といった城南エリア、「千代田区」「港区」「渋谷区」「新宿区」「文京区」「豊島区」といった交通利便性の高い都心・およびその周辺ほど価格の上昇率が高くなっていた。
コロナ禍でテレワークが定着し、都心の価値が相対的に薄まった感があるがコロナ前と比較してもその優位性が依然高いことが分かる。
■(番外編)東京都下:「多摩市」「武蔵野市」は130%超え。「国分寺市」は唯一下落
東京都下においても「国分寺市」を除く4市で100%超えとなった。中でも「多摩市」は139.3%となり、23区の中では「北区」や「中央区」を上回る12位の価格変動率となる。
もともと分譲時の価格が都心よりも安価であることが主な要因ではあるが、コロナ禍によるリモートワークの定着や物件価格高騰による都下人気もうかがえる。
駅篇:1位は「目黒」。2位・3位の「根津」「中目黒」は中古でも億ションに
続いて駅ごとで集計しランキング化したところ、1位は「目黒」、2位以降は「根津」「中目黒」が続いた。TOP10内に60m²築10年中古マンション平均価格が1億円を超える駅が4駅入り、駅別ランキングにおいても都心価値の優位性が浮き彫りに。
駅単位でも都心・副都心・城南エリアが上位を埋め尽くす中、唯一城北エリアの「田端」が9位にランクインした。「田端」も都心の利便性が享受できるエリアだ。
もともとマンションが多くないエリアでもあり、利便性に基づく人気の高まりが価格および資産性を大きく引き上げている。
また、元々の人気の高さに加え、昨年開業した新横浜線によってより交通利便性の上がった東急東横線/目黒線の停車駅も3駅(「目黒」「中目黒」「都立大学」)がTOP10圏内に入りしている。
調査概要
<新築マンション価格>
集計対象:2011年~2013年に分譲された当時の新築マンション
集計地域:東京23区
除外条件:登録件数10件以内、専有面積30m²未満、価格3億円以上
<中古マンション価格>
集計条件:2021年~2023年(1~10月)に流通した”築10年”の中古マンション
集計地域:東京23区
除外条件:登録件数10件以内、専有面積30m²未満、価格3億円以上
関連情報
https://www.homes.co.jp/cont/press/report/report_00329/
構成/Ara