〝おじテック〟はこの先も盛り上がりそう
入山 「日用品部門」でおもしろいと思ったのは『イケオジパンツ』。50、60代の方も悩みとかコンプレックスがいっぱいあると思いますが、「おじさんだからしょうがない」の一言で丸められちゃってるじゃないですか。実はそこって意外にビジネスチャンスがあると感じました。フェムテックの次は、おじテックがくるかもしれないですね。
ヒャダイン このパンツ、デザインもしっかりしていますね。もとは尿漏れ対応パンツと名乗っていたようですが、ネーミング変更は正解でした。男性ならわかると思いますが、悲しいかな尿漏れはするもの。これはいいですね。
石﨑 『らくハピ くるくるバブルーン お風呂まるごと』は、こすらずに泡で汚れを落とすお風呂掃除用スプレー洗剤。ノズルの先端が360度回り、約3秒の噴射で浴槽が泡だらけになるのが特徴です。
ヒャダイン エンタメに振ったスプレー洗剤は斬新ですね。
石﨑 一気に泡立つので、子供と一緒に掃除をしても楽しめると思います。泡が流れやすいと、さらによかったですね。
山崎 私は『ビオレUV アクアリッチ アクアプロテクトミスト』ですね。自分でも使っていましたが、値段も手頃で、使い心地や肌への密着感がよく、スプレータイプなのに紫外線を防ぐ効果指数SPFもしっかりしています。ベタベタせず、顔にかけられるミストとしても貴重です。
ヒャダイン シャーってかけるだけでヒヤッと気持ちがよく、ベタつかないので、重ねて何度もかけられます。僕もこれを推したいですね。
ドラマ『VIVANT』には〝地上波の意地〟を感じた
山崎 「エンタメ・カルチャー部門」の推しは断トツで『VIVANT』です。定年を迎えるTBSの福澤克雄監督の集大成ということで、1作にハリウッド並みの大予算をかけ、そうそうたる役者さんが揃いました。ドラマの枠を超えた圧倒的な没入感と、出演者の皆さんの演技や気迫に打ちのめされました。
入山 『VIVANT』は初回からドはまりしましたが、ドラマのおもしろさ以外に、『VIVANT』を全話配信した、動画配信サービス『U-NEXT』も評価したいですね。オリジナル作品は少ないですが、各局からコンテンツを買うことで、ラインアップを増やしています。これを地道にやってきたからこそ、ついに『VIVANT』でブレークスルーができたと思います。
ヒャダイン 日本のドラマを見ない 時期が久しくありましたが、地上波の意地を感じましたね。驚きのある展開に加え、見ることで希望が持てる、とてもいい話でした。対抗の『東急歌舞伎町タワー』は、最新トレンドを盛り込んだ新宿の新名所ですが、歌舞伎町の治安が最近悪くなっていることが気がかり。今後はさらに地元を巻き込んだ街づくりを期待したいですね。
入山 今の歌舞伎町では、街づくり計画は当面進まなそうですね。
〝非ガチ勢の取り込み〟がどれも見事でした
石﨑 『ストリートファイター6』は、新しいモードや、ボタンひとつで波動拳が出せるようになりました。これは、裾野を広げる策としても画期的でしたね。
ヒャダイン 今年はNintendo Switchの『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』など、ゲームが豊作でした。それらと比べると数的には少ないですが、eスポーツの観点で『ストリートファイター6』はよくがんばりましたね。オンラインゲームが主流になってから、日本のゲームが世界に後れを取っていただけに、これを機にV字復調を期待したいです。
選考委員が読み解くヒットのポイント
■ オジサンの美容や健康の悩みに注目
■ 新規性も大事だが、使いやすさも重要
■〝当たり前〟を見直す商品が 増えている
【授賞式の模様はコチラ】
取材・文/安藤政弘