「空き家・空き地」取引に関わったことがある不動産会社は、どの程度の割合で存在するのだろうか?また、自治体に日々寄せられる、空き家所有者からの相談内容には、どういったものが多いのだろうか。
不動産情報サービスのアットホームはこのほど、全国のアットホーム加盟店と、「アットホーム空き家バンク」に参画している自治体を対象に「空き家・空き地」取引等に関する実態・意識調査を行い、その結果を発表した。
なお、本調査における「空き家・空き地」は、建築物又はこれに附属する工作物であって、居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの(概ね1年以上の利用実態がない)を指している。
不動産会社向け調査
2023年度に「空き家・空き地」取引に関わったことがあると回答した不動産会社は約7割となった。
不動産取引全体の中で「空き家・空き地」取引の割合を聞くと、「1~10%」が最多で49.7%となった。以下「11~20%」が19.3%、「21~30%」が10.7%と続いた。
自治体向け調査
自治体に空き家・空き地対策を対応している人数を聞くと、58.9%が1~2人と少人数で対応していることがわかった。また、取り組んでいる空き家関連業務に対しては、「人員不足」を課題としてあげる人が多数いた。
空き家取引に取り組む自治体は42.3%となった。また、実際に空き家取引を行う自治体に、昨年と比較して、空き家所有者からの相談量について聞くと、約半数が増えたと回答した。
空き家所有者からの相談内容は「売買の相談」が87.0%で最多に。以下、「解体・除却の相談」、「空き家管理に関する相談」が続いた。
2024年4月に開始する「相続登記の申請義務化」に関する相談は約2割が「あった」と回答した。義務化に先立ち、制度の確認をする人が一定数いるようだ。
「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」に関して、施行前に空き家所有者から相談を受けた自治体は17.4%となった。
<調査概要>
●不動産会社向け調査
・調査方法:メール配信によるWebアンケート
・調査内容:アットホーム加盟店の「空き家・空き地」の取引等に関する実態・意識調査
・調査期間:2023年9月13日(水)~20日(水)
・調査主体:アットホーム株式会社
・調査対象:全国のアットホーム加盟店
・有効回答数:904サンプル
●自治体向け調査
・調査方法:メール配信によるWebアンケート
・調査内容:各自治体の「空き家・空き地」の利活用等に関する実態・意識調査
・調査期間:2023年9月27日(水)~10月4日(水)
・調査主体:アットホーム株式会社
・調査対象:全国の自治体(1,553自治体)※空き家対策を行っている担当部課(当社把握部課のみ)
・有効回答数:163サンプル
出典元:アットホーム空き家バンク
構成/こじへい