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コンパクトカー並みの取り回しやすさを実現したメルセデス・ベンツのプレミアムBEV「EQE SUV」

2023.12.28

0→100km/hが5秒台、スーパースポーツに変身する恐ろしいSUV

 Cモードを選択し、走り出す。走り出すと軽くヒューンというモーター音が聞こえてくる。加速時はEVの重さを感じさせない。ふつうにアクセルを踏めば、スタートはやや緩慢に動き出すが、すぐに前を行くクルマに追いつく。信号待ちで先頭からスタートすると、普通にアクセルを踏んだつもりでも、いつの間にか後続を引き離している「EQE SUV」がいる。

試しにスタートと同時に、アクセルをグイッと踏みこむと、室内に伝わる音がヒューンという軽い音から、ギュイーンという大きめのメカニカルサウンド的な音に変わり、加速も0→100km/hが5秒台、というスーパースポーツに変身する恐ろしいSUVなのだ。292PS、765Nmは見せかけの数値ではないのだ。

 パドルスイッチはハンドル裏に装備されているが、変速用スイッチではない。回生モードの設定用だ。回生を強力/通常/回生なしにセレクトできる。強力回生でも完全停止はできない。操縦性だがCモードでは低・中速ではハンドルはやや重めで、切りこみも抵抗感のある味付け。

スポーツモードに切り換えると、全体に重めになり、真剣にハンドルと格闘しなければならない。乗り心地もスポーツモードは低速からゴツゴツした動き。高速走行では、大きなうねりのようなところでは、やや横ゆれもある硬めな設定。ちなみにタイヤは、ピレリ「P ZERO」の265/40R21を装着していた。

 後席に座ってみた。床はフラットで広い。3人掛けはもちろんOK。膝の余裕もある。ヘッドスペースはやや狭め、身長170cm以上には狭く感じる。後席背もたれは4/2/4で可倒するが、手動式。荷室とは床面がやや斜めで一体化し、スペースは十分に確保されている。

 街中走行で重宝したのは、回転半径の小ささだ。「EQE SUV」の後輪は小回り性能を良くするために後輪操舵を取り入れている。ターンする時などの低速域で、後輪は前輪と反対側に10度だけステアする(AMG53は3.6度)この動きは、最小回転半径を4.8mとコンパクトカー並みした。片側1車線+自転車道路のスペースがあれば、一発でUターンができた。

 電費と充電に関してだが、今回の試乗は、インポーターによる公式試乗会だったので、走行距離、走行時間も限られており、正確な数値はわからなかった。街を10~30kmしか走行しなかったので、電費は3~5kWh程度。充電もできるほど充電量は減少していなかった。

 メーカーによる充電時間の目安はCHAdeMO規格の50kWタイプの急速充電は10%→80%まで102分。30分間では10→30%。90kWタイプなら10%→80%まで54分と公開されている。交流200Vの家庭用だと10→80%は6時間以上、要する。この辺りのデータは後日、借り出して、実証したい。

■関連情報
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/eqe/overview.html

文/石川真禧照

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