韓国、ソウルでヒョンデの最新EVに試乗した。車名は「KONA」(コナ)。ハワイの街の名から付けられたという。それだけワールドワイドに展開していくモデルでもあるということだろう。日本では馴染みのない車名だが、今回のモデルは2代目。全長4355mmのコンパクトSUVだ。
日本ではEVのみの販売
本国では、EVのほかにハイブリッド(HEV)、ガソリンエンジン(ICE)と、スポーツモデルのNラインがあるが、日本へはEVのみの販売になるという。2代目「KONA」のボディーサイズは全長は4355mmだが全幅は1825mm、全高は1575mm、ホイールベースは2660mmなので、ミニクロスオーバーに近いサイズ。初代よりも大きくなっているそうだが、その理由は主に後席の居住性向上のためだそうだ。
外観は5ドアのSUV。ドアウインドウはやや狭く、クーペ風の雰囲気を漂わせている。フロントマスクは、ボンネット幅に1本のホライゾンランプを配した最新のカーデザインを採り入れている。ヘッドライトは小型のLEDのタテ2灯式。充電口もフロント部にレイアウトされている。
サイドは、タイヤハウスをオーバーフェンダー風にアレンジ。フロントドア下からリアにかけて一直線に伸びるプレスライトは、すでに日本で販売されている「IONIQ 5」と共通のアイデンティティーだ。テールランプも細いラインが全幅に配されている。
前席のドアを開け、運転席に座る。今回は左ハンドルだが、日本向けはもちろん右ハンドル、ウィンカーも右側だ。目の前は12.3インチのデュアルパノラミックディスプレイが一枚の板状に立てられている。センターコンソールはカップホルダーが中央部を占める。シフトレバーは、ハンドルコラムに移された。
短い長方体のシフトレバーはD/N/Rとレバーの先端をプッシュしてPのポジション。DRIVE MODEはエコ/ノーマル/スポーツ/スノーの4ポジションをダイヤルで選択する。パドルレバーは回生の度合を設定する。スタートはノーマルモード。95%充電完了状態で、可能走行距離は445kmを表示している。資料によれば「KONA」には、「ロングレンジ」と「スタンダード」の2グレードあり、「ロングレンジ」は65.4kWhの電池で、218PS、255Nm。「スタンダード」は48.4kWhで156PS、255Nmと発表され、最大航続距離はロングレンジオプションで490km以上というので、試乗車の表示は妥当だろう。
駆動は前輪。やや重めの操舵力で街中を走り抜け、高速道路に。街中での乗り心地はやや硬め。路面からのゴツゴツした動きは少ない。上下動も抑えられている。高速道路に入り、100~120km/hで巡航する。今回の試乗は高速走行が多く、その性能を実感できた。乗り心地のしなやかさも体感した。目地の乗り越えでの上下動やザラついた路面での動きがよい。タイヤはクムホ「マジェスティ9」の235/45R19を装着していたが、このサスペンションとの相性はよかった。