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自宅が診察室になる日は近い?デジタル機器の活用で進む在宅医療の未来

2024.01.02

嚥下音をクリアに聞ける電子聴診器は在宅医療への活用にも期待

高齢になると嚥下機能に障害が起きやすくなる。診察には喉元に聴診器を当て、「ゴクリ」などの嚥下音や呼吸音を聴き分けることで判断を下す方法がとられることが多い。

そんな聴診を医師がハンズフリーで行えるウェアラブル型の電子聴診器が登場した。

その名も「GOKURI頸部装着型電子聴診器」。

「GOKURI頸部装着型電子聴診器」利用イメージ

国立大学法人筑波大学人工知能研究室・サイバニクス研究センター・附属病院未来医工融合研究センターの研究成果を社会に還元するべく創業した大学発スタートアップ、PLIMES株式会社によるものだ。

2010年より基礎研究を開始。国立大学法人筑波大学及び筑波大学附属病院における研究成果「頸部装着型嚥下モニター(特許第5952536号)」を実装し、頸部から取得する小さな嚥下音を聴くことができる高感度集音を実現。センサ部を頸部に接触させ生体音を聴取する。

●頸部聴診が必要なあらゆるシーンでの活用が可能

同社の広報担当 松田佐保氏は、同製品について次のように解説する。

「病気や高齢により嚥下機能に課題を感じる方、手術後など食事制限からのリハビリの過程で摂食嚥下機能回復に管理が必要な方に対して、医師、歯科医師、言語聴覚士、看護師などが嚥下機能検査の頸部聴診の際に利用します。2023年8月に医療機器認証を取得し、同年11月より販売を開始しております。大学病院、歯科クリニック等からの購入のお申し込みに対して受注生産にて販売しています」

現時点までは15台ほど受注し、すでに生産が完了している。医療用機器として頸部聴診が必要なあらゆるシーンでの活用が期待されるという。

●在宅医療での活用も

利用した検査者からはどんな反響があるのか。

「通常の聴診器と異なり、検査者の両手が空くことにより、食事の介助等、他の作業や検査とあわせて頸部聴診ができるといった声をいただいております。そういった意味では、在宅、施設など生活の場での使用が可能です」(松田氏)

その他、利用した医師からは次の声があがっているそうだ。

『デジタルデータ化された嚥下音が、聞き慣れたアナログの音とは高さが異なるが、診断に影響しない』

『クラウド型の業務支援ソフトを活用することで、遠隔での医療従事者間での情報共有が可能になった。在宅診療、多職種連携による遠隔医療に期待ができる』

『通常の聴診器とは異なり、周囲の人にも聞かせられるので、患者さん、スタッフへの説明に非常に便利』

在宅医療の浸透を後押しする機器として期待できそうだ。

今回は2つの製品を取り上げたが、現実的にはこのような画期的な製品が在宅医療の現場で活用されるに至るまでには、まだまだ時間がかかることが実感できた。今後、さらなるテクノロジーの発展と製品の進化および利活用が進むことに期待したい。

文/石原亜香利

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