多様化が進む世の中において、「恋愛」や「結婚」でも多様な価値観が広がっている。交際経験がなく結婚願望が薄い若者が増えているというが、実際のところどうなのだろう。
リクルートが運営する『リクルートブライダル総研』では、恋愛、結婚の実態について詳細を把握するため、「恋愛・結婚調査2023」を実施したので、結果の要旨をお伝えしよう。
「恋愛するなら結婚のため」という価値観が20代男女の中で広まる
20~40代の未婚男女のうち、恋人がいない人の割合は70.3%。交際経験のない人の割合は34.1%で調査実施以来最高値となった。
恋人がなく交際経験もない人の割合を見ると、20代男性(46.0%)は前回調査比で11.8ポイント増加。20代女性(29.8%)は前回調査比で5.5ポイント増加と、どちらも過去調査と比較して増加傾向がみられる。
「結婚を意識する相手としか付き合わない」に対して「非常にあてはまる」「ややあてはまる」を選んだ割合は、20代男女で増加傾向が見られた。
20代男性(34.6%)は2017年から比べて10.9ポイント増加、20代女性(44.3%)は6.6ポイント増加している。
「恋愛は時間とお金の無駄である」項目を見ると男女全年代で2017年比増加。特に20代女性(19.4%)は7.2ポイント、20代男性(23.7%)は6.3ポイント、30代女性(23.6%)は12.8ポイント、30代男性(21.7%)は7.4ポイント増加していた。
20~40代の未婚男女のうち、「(いずれは)結婚はしたい」人の割合は46.1%、「どちらとも言えない」人の割合は28.3%、「(今後も)結婚はしたくない」人の割合は25.6%という結果に。
2019年以降から「(いずれは)結婚はしたい」人の割合は年々減少している一方、「どちらとも言えない」 「(今後も)結婚はしたくない」と答えた人の割合は年々増加している。
また、男女比較すると、女性の方が男性よりも「(いずれは)結婚はしたい」と答えた人の割合の減少幅が大きい。また、女性は「どちらとも言えない」と答えた人が27.0%で、2017年から8.6ポイント増加していた。
結婚意向がない人・どちらとも言えない人の「結婚したくない理由」上位5項目は、「金銭的に余裕がなくなるから(36.4%)」 「行動や生き方が制限されるから(35.8%)」「メリットを感じないから(24.8%)」 「自由や気楽さを失いたくないから(24.4%)」 「必要性を感じないから(22.6%)」だった。
男女それぞれの最も割合が高い項目を見ると、男性は「金銭的に余裕がなくなるから(42.5%)」、女性は「行動や生き方が制限されるから(40.5%)」。
男性は女性よりも「金銭的理由」や「扶養の責任への負担」の理由が強く、女性は男性に比べ「行動や時間の制限」「必要性を感じない」ことが理由として高くなっている。
「仕事・職場の状況」に対して結婚意向別で比較すると、男性で最も差が大きかったのは「休暇が取りやすい職場である」(20.4ポイント差)。
女性では「既婚者が多い職場である」(13.9ポイント差)。男性は“時間的余裕をつくりやすいこと”、女性は“ロールモデルが職場にいること”がより関係しているようだ。
調査概要
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象:全国の20~49歳の未婚男女
有効回答数:1,200
調査実施期間:2023年9月5日(火)~ 2023年9月6日(水)
調査機関:株式会社マクロミル
構成/Ara