働き方改革が推進され、新型コロナウイルス感染症が5類に移行された2023年を医師はどのように捉えたのだろうか。
メドピアは、国内医師の約半数16万人が登録する医師専用コミュニティサイト「MedPeer」の医師会員3,014名に2023年の医学界を表す一文字「医師が選ぶ今年の漢字」と2024年がどのようになることを期待するかの漢字一文字「医師が選ぶ来年の漢字」を募集し、発表した。
2023年「医師が選ぶ今年の漢字」1~10位
2023年の漢字は、3年連続続いた「渦」に代わり、戦争などの世界情勢を表した「戦」が1位となった。
さらに、新型コロナウイルス感染症が5類となったことや2024年4月から医師にも適用される働き方改革など、注目ワードに関連した一文字がランクインする結果に。
■1位「戦」118票
・ウクライナの長引く戦争、ハマスとイスラエルの争い、他人事では済まないと思っています。(50代 循環器内科 男性)
・ 戦争が多く、戦時下の医療体制の弱さを実感しているから。(50代 精神科 女性)
・薬が足りなくて取り合いになりかねないことや、世界に目を向けると戦争で病院が被害に遭い、安全な医療を受けることさえできずにいて、危機的な状況であると思います。(40代 一般内科 女性)
■2位「復」112票
・新型コロナ感染症が5類になり、行動や一部の診療が元に戻り経済活動が復興してきた年なので。(60代 眼科 男性)
・コロナが落ち着き患者の来院数も増加してきており、面会なども復活する病院が増えてきたため。(30代 整形外科・スポーツ医学 男性)
■3位「変」101票
・医師の仕事において働き方改革が来年から開始され、変化の時を迎えようとしているから。(30代 消化器外科 男性)
・Covid-19に対する体制、季節外れのインフルの流行、気候変動、医師会体制の変化、良くも悪くも(よいことはあまりないが)、変化の激しさが目立つ。(70代 麻酔科 男性)
■4位「改」83票
・コロナ禍で様々な様式が変化していった。オンライン診療やオンライン学会など便利になっていったものもある。(40代 消化器内科 女性)
・コロナ明け、働き方改革元年として、医療界の構造が大きく変わり始めた年だから。(50代 泌尿器科 男性)
■5位「乱」74票
・コロナにインフルエンザに大混乱。(70代 耳鼻咽喉科 男性)
・4年近く続いている新型コロナウイルス流行や長引く暑さなどのせいで、感染症がいつもとは異なる時期に流行したりして対応に混「乱」が生じた1年だったように思います。(50代 一般内科 女性)
■6位「明」70票
・コロナ禍が明けて5類になり明るい兆しが見えてきたと思う。(60代 整形外科・スポーツ医学 男性)
・少しだけですが、明るい話題が増えてきた気がする。(40代 精神科 男性)
■7位「忍」64票
・アフターコロナに耐えて医療DX対応に追われて忍耐の年だから。(50代 精神科 男性)
・コロナ禍、戦争、気候変動など、人命が失われる事象が増加しており、無力感で耐え忍ぶのみ。(60代 心療内科 男性)
■8位「五」63票
・新型コロナ感染症が5類に変更となったため。5類になることで診療が大分楽になった。またコロナ禍からの脱却を実感した1年だった。(30代 その他 男性)
・コロナ感染が5類になって変わったこともあれば、医療業界の負担が変わらないこともあったから。(30代 消化器内科 女性)
■9位「耐」59票
・世間一般ではコロナ以前に戻っているが、医療界ではただ耐え忍ぶ状況が続いている。電気やガス代、そのほかの経費もかさむばかり。(60代 一般内科 男性)
・医療をとりまく環境が厳しくなっていると感じるため。(40代 耳鼻咽喉科 男性)
■10位「働/税」53票
・働き方改革が導入され、ワークライフバランスを再考せざるを得なくなった。(60代 一般内科 男性)
・コロナの補助金打ち切りや診療報酬を下げる話が出たりと税金(社会保険料)の影響を強く受けた年だったから。(40代 一般内科 女性)