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アルピナ「XB7」の鍛え上げられた逞しさと端正なエレガンスが誘う近未来のドライブ

2023.12.27

インポーターによれば「日本における旅は始まったばかりであり、成長著しいタイやインドネシアと同様の成功をここ日本でも実現したい」と言う。

冒頭に申し上げておきます。アルピナ社の創業者として、長年に渡り数々のBMW ALPINA車を世に送り出してきた「ブルカルト・ボーフェンジーペン」氏が、2023年10月12日、87年の生涯を閉じた。ここに謹んで哀悼の意を表するとともに、故人が安らかな眠りにつかれますよう、お祈り致します。

さて、1960年代初頭、故・ブルカルト・ボーフェンジーペン氏(以下、ボーフェンジーペン氏)は、さまざまな自動車ブランドのために、持てるパフォーマンスをより向上させるためのキャブレターやインテーク・システムの発開を始めた。その当時、最適なベースモデルとして選んだのが、4気筒エンジンを搭載した最先端のBMW 1500だった。1963年、アルピナ初の製品となったBMW 1500用キャブレターとインテーク・システムを搭載した最初の市販車が路上へと走り出した。こうして始まったアルピナのクラフトマンシップとBMW社との強固な信頼関係が紡いできた歴史は、我々にどんな「車の世界」を見せてくれているのか?

有り余るパワーをどんな形で表現するのか

ボーフェンジーペン氏の逝去よりも1年半ほど遡った22年春のこと、「アルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン有限&合資会社(以下、アルピナ社)」が、ブランドをBMWに譲り渡すというニュースが飛び込んできた。そのニュースは25年末で、これまで継続してきたアルピナとBMWとの関係が終了すると同時に、アルピナという独立した自動車ブランドの歴史にも幕が引かれることを意味していた。そして現在、アルピナというブランドがその後にどのような道をたどるかは明らかになっていないが、BMWの「高級車ブランドのひとつ」として継承されるという見方は、有力だ。

そんな中で確実なことはと言えば、45年にわたり日本市場でアルピナの日本総代理店を務めてきた「ニコル・オートモビルズ合同会社(以下、ニコル)」を始め、全国に展開されるBMWアルピナの正規代理店(BMW正規ディーラー)で、今も魅惑的なBMWアルピナのラインアップから、好みのモデルを選択できるということ。そして当然のことだが、故・ボーフェンジーペン氏の思いとアルピナ社のクラフトマン達のスピリットが込められたモデルを、手にする最後の機会とも言える。そのラインアップから、もっとも魅惑的な輝きを放つモデルをセレクトするなら、アルピナから初めて登場したラグジュアリー・パフォーマンスSUVの「XB7」ではないだろうか。

マイナーチェンジを施された最新のXB7のベースといえば、BMWのSUVフラッグシップであるBMW・X7。それをアルピナ流儀によって仕上げた最高出力621馬力、最大トルク800N・mと言う最強の4.4L、V型8気筒エンジンによる力強さは、BMWの「Mパフォーマンスエンジン」であるV8エンジンを搭載車したX7 M60i xDriveの530馬力、最大トルク750 Nmを大きく上回るパフォーマンスを実現している。

その上で、出色ともいえるフラットな乗り心地を実現した足回りの完成度の高さは、まさに一度経験すると忘れられない味わい。アルピナが自らのラインアップを「車グルメのためにある」と称することが、走り出してすぐに理解できるような完成度を見せてくれるのである。なによりもそのパワフルさは全長5.180mm、全幅2,000mm、全高1,835mm、そしてホイールベース3,105mm、車重2,660kgという堂々たるボディを、ひとまわり小さく感じさせるほどの軽快さ、扱いやすさを実現している事に驚かされる。

一方で、ロングホイールベースを活かした大型クルーザーのごとくの快適な乗り心地とドライビング・ダイナミクスを両立した走りのパフォーマンスを味わっているうちに、気が付いたことがあった。アルピナ最大の魅力は、この有り余るほどのパワーを利した走りをひけらかすことではないのではないということ。いや、むしろこれ見しに巨体を振り回すのはアルピナにふさわしくない行為であり、強烈な走りは「潜めてこそ、美」だと感じ、そして以前、生前の徳大寺有恒氏(以下、徳さん)と交わした、あるやり取りを思い出した。

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