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本格オフローダーの歴史に刻まれた新たな1ページ、ランドローバー「ディフェンダーV8」の魅力

2023.12.26

ランドローバーといえば英国の本格派四駆ブランドとして知られるが、もともとは1948年にローバー社から登場したオフローダーのモデル名に由来する。そしてその直系モデルがディフェンダーだ。つまり同車はブランドの歩みよりも長い、75年という歴史を刻んできたのである。その2024年モデルを試した。

デザイン面では変更はないものの、V8モデルではシグネチャーDRL付きマトリックスLEDヘッドライトが標準装備される。

ディフェンダーの歴史に欠かせないV8

強固なボディと確かな4WDシステムを持つ本格派四駆として名高いのがディフェンダーというモデルだ。その始祖であるランドローバー(シリーズ1)は1948年に登場。シリーズ2、シリーズ3と進化を遂げながら、1990年に現在のモデル名であるディフェンダーに改称される。この間も快適性能は必要にして十分なレベルに留め、一方で道を選ばない高い悪路走破性を追求してきた姿勢が、世の四駆ファンを魅了してきたのはいうまでもない。

そんなディフェンダーが現代の要件に合うように生まれ変わったのは2019年のこと。伝統的なラダーフレームではなく、アルミモノコックをベースに作られたその成り立ちからすれば従来型とはまったくの別モノとも言えるが、その魂とも言えるオフロード性は現代の技術を活用しながら刷新され、安全性や快適性の大幅な向上も含めて、さらに多くのディフェンダーファンを生み出すこととなった。

V8ユニットは標準ホイールベースの110(写真)とショートホイールベースの90に搭載される。またそれぞれに専用装備を与えた特別仕様車「カルパチアンエディション」も用意された。

デビュー当初は世界的な感染症の蔓延や半導体不足という逆境が重なったものの、標準ホイールベースの「110」を軸に、ショートホイールベースの「90」、ホイールベースは110と同様ながらリアオーバーハングを伸ばしロングボディとした「130」の3モデルで、ランドローバーの屋台骨を支えるまでのボリュームセラーに成長している。

そんな勢いを後押しするかのように、従来からある2L直4ガソリンターボ、3L直6ディーゼルターボに加え、ディフェンダーの2024年モデルとして用意されたのが5LV8スーパーチャージド(SC)ユニット搭載車である。

ボンネット下に収まる5LV8スーパーチャージドユニット。同じV8でもレンジローバーのそれは4.4Lターボであり出自が異なる。エンジンの性格も違っていて、こちらのほうがより古典的なフィールを感じさせてくれる。

このエンジンはこれまでもジャガー・ランドローバー・グループのトップモデルに採用されてきたもの。V8エンジン搭載車はディフェンダーの前身である1979年のランドローバー・シリーズ3から設定されていたから、ディフェンダーにとってはなくてならないユニットと言えるだろう。

90と110グレードそれぞれに用意される5LV8 SCは最高出力525ps、最大トルク625Nmを発生。0-100km/hは90グレードで5.2秒、110グレードで5.4秒と、ディフェンダー史上最高のパワーと俊足を誇る。ZF製8速ATや4WDシステムが組み合わせられるのは2Lガソリンや3Lディーゼルと同様だが、V8モデルではドライブモード選択に“ダイナミック”が追加設定されるのが新しい。

このV8搭載車の追加にあわせてラインナップも整理され、90グレードは3L直6ディーゼルターボと5LV8スーパーチャージドの組み合わせ、110グレードはこれに2L直4ターボを加えた3本立て、130グレードはディーゼルのみとなった。今回は110のV8を試した。

見晴らしがよく、使い勝手にも優れるコクピット周り。スエードクロスのステアリングホイールや同様の素材を用いたシートなどもV8モデル専用装備となる。

存分に楽しめる古典的な味わい

エンジンがV8になったものの、内外装や装備面での大きな変更はない。グラブバーとトリムを一体化した造形のインテリアは、SUVらしいタフさや力強さが感じられ、そのスペースを有効活用した小物入れも多く、使い勝手に不満はない。

オンロードはもちろんオフロードでもしっかりと路面状況を把握できるシートのポジショニングは本格派オフローダーならではの作り。見晴らしよくルーミーなパッケージのおかげで後席も快適に過ごせる。ちなみに2Lや3Lの110では2列5人乗りと3列7人乗りが選択できるが、110 V8は前者のみの設定となる。

110は通常、5人乗りと7人乗りの2種のシート配列が選択可能だが、V8モデルに関しては前者のみとなる。荷室容量は786~1875Lを確保。後席を前倒しした際はフラットフロアができるため、荷物が積み込みやすい。

さて、その110 V8の実際のキャラクターはというと、なにはなくとも余裕に溢れている。筆者はこれまで、現行型ディフェンダーは110の3L直6ディーゼルを試したことがあり、そのエンジンの洗練度の高さと車体とのマッチングの良さに好印象を抱いていたのだが、今回のV8はそれとは異なるエンジンの個性の強さに惹かれた。

車重は3Lディーゼルモデルよりも確実に増しているものの、さすがにモデル史上最強のパワーを有する5LV8 SCだけあって、2.5トン近い車体でもスルスルっと軽やかにスタートできる。それに伴い低音の輪郭がはっきりとしたドロドロとしたビートが響き、しかもエンジンの回転フィールが伸びやかなのはなんともV8らしく、高回転まで息の長い加速が続くのが実に気持ちいい。

V8ユニットがもたらしてくれる余裕は、オンロードはもちろん、オフロードでも存分に味わえる。WLTCモード燃費等は発表されていないが、参考までに都内試乗時のオンボード燃費は5.5km/Lを示していた。

標準装備されるエアサスペンションもダンピングがしっかりと利いていて、車両姿勢がフラットで乱れないのもいい。もちろんドライブモード切り替えによって減衰力等は適切に変わるから、どんな路面状況でも安心してステアリングを握っていられるはずだ。オフロードでもこのパワーを有効活用して道なき道もぐいぐいと突き進んでくれるだろう。

つまり、V8ディフェンダーは大排気量ユニットを積んだことによって力強さや頼もしさ、エンジンのフィールをはじめとする官能性能の高さも加わって、運転する楽しみが増えている。一時代を築いた大排気量・多気筒ユニットの滋味深さや、本格派の四駆の実力を存分に知ることができる貴重な存在だ。ちなみにV8モデルは現状、90グレードも含めて2024年モデルのみの設定とアナウンスされているから、興味のあるかたは早めにアプローチしてほしい。

V8の最大の識別点はテール部分の4本出しエグゾーストとボディサイドのエンブレム。さらに言えばエグゾーストノートで判別できる。その味わい深さはV8モデルならでは。

ランドローバー・ディフェンダー 110 V8
Specification
全長×全幅×全高:4,945×1,995×1,970mm
車両重量:2,450kg
駆動方式:4WD
トランスミッション:8速AT
最小回転半径:6.1m
エンジン:V型8気筒スーパーチャージャー 4,999cc
最高出力:221kW(300PS)/4,000rpm
最大トルク:650Nm(23.2kgm)/1,500~2,500rpm
最高出力:386kW(525PS)/6,000rpm
最大トルク:625Nm/2,500~5,500rpm
車両本体価格:¥15,880,000
問い合わせ先:ランドローバーコール
TEL:0120-18-5568

文/桐畑恒治(AQ編集部)

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