市販のリレーアタック防止グッズも試してみた
では、市販のリレーアタック防止対策グッズはどうなのかと2種類を購入してみた。ひとつはスウェード調のボックス型のもので、玄関に置いても違和感なし(デザインや質感、色による)。大きめのサイズならスマートキー(リモコンキー)にキーホルダーを付けた状態でも余裕で収めることができた。内側は宝石箱のような布張りで、スマートキー(リモコンキー)やキーホルダーのキズつきの心配もない。もちろん、買ったものは電波をしっかり遮断。スマートキー(リモコンキー)を収めたボックスを持ってクルマに近づいても、当然ながら、ドアは開かなかった。ただし、蓋をしっかりと閉めておくことが大前提だ。
もうひとつ買ったのは、ポーチ型のリレーアタック防止グッズだ。価格的にボックス型よりずっと安い(筆者がアマゾンで買ったのは2つで1260円/購入時)のがメリットだが、買った縦14cm、横9cmのサイズ(マチなし)では、一般的なスマートキー(リモコンキー)本体のみなら無理なく入るものの、キーホルダーを付けているとぎゅうぎゅう。電波漏れ防止の要になるであろう蓋を閉めにくいことも分かった(キーとキーホルダーの大きさによる)。
ここまでで、家でのリレーアタック防止対策として実用的だと思えたのは、スマートキー(リモコンキー)を家にある内部にアルミホイルを張り付けたオシャレな!?缶に入れておくか、専用のボックス型リレーアタック防止グッズを利用するかの2点になる。筆者の場合は、せっかくボックス型を買ったので、後者を選択。現在、使っている(蓋の開閉操作が楽なものが使いやすい)。
ただし、どのリレーアタック防止対策(グッズ)でも、実際にスマートキー(リモコンキー)を収め、クルマに近づき、電波漏れ(ドアが開くか否か)がないかを確認することが不可欠だ。売られているリレーアタック防止用グッズでも、書き込みで「電波漏れあり」とされる、使い物にならないものもないとは言えないからだ。幸い、筆者が買ったボックス型、ポーチ型は、ともに電波漏れ皆無であった。
これで愛車のリレーアタック防止対策のスタート地点につけたわけだが(それだけでクルマが盗まれないわけでは決してない)、まてよ、実験のためにボックス型とポーチ型の両方を買ってしまい、家の玄関に置くボックス型じゃないほうのポーチ型の使い道がない、もったいないことをした……と思うのは早合点だった。
ポーチ型は出先でのリレーアタック防止対策に役立ちそう
リレーアタック被害は家の駐車場だけではない。つまり、出先でもリレーアタック被害はありうるわけで、しかし無防備にスマートキー(リモコンキー)を携帯、または置いていることがほとんどだろう。そこで、ポーチ型のリレーアタック防止グッズの出番である。出先用として使う用途にもぴったりで、ひとつは外出携帯用にと玄関に、もうひとつは(買ったものは2個入りだったので)、持ち忘れ用に、クルマの車内に置いておくことにした。結果、ポーチ型のリレーアタック防止グッズはドライブ先での買い物中、食事中、ホテル滞在中など、さまざまなシーンで多少は安心できることを確認。薄いポーチ型なので、ポケットにも入り、かさばらず、バッグに入れてもまったくジャマにならない使い勝手の良さも気にいっている。
よって、家では専用のボックス型、または電波漏れのない缶、クルマで出掛ける際はポーチ型という2種類のリレーアタック対策グッズを使い分けることで、少なくともスマートキー(リモコンキー)から漏れる電波をジャックされることによるクルマのリレーアタック盗難被害を防ぎやすくなるというわけだ(くどいようだが、それでも完全に防げるわけではない)。
そんな、自宅にあった数種類の缶で実験し、缶の内側にアルミホイルを張り付け、ボックス型とポーチ型のリレーアタック防止グッズを買ったリレーアタック対策の顛末をクルマ仲間の友人に話したところ、「盗まれそうなクルマになんか乗ってないじゃん」とか言われてしまいましたが……確かに。が、日本中で自動車窃盗団暗躍中の世の中、どうなるかは分からない。スマートキー(リモコンキー)、プッシュ式スタートボタン採用のクルマに乗っているのであれば、対策はしておくことに越したことはない。敵は我々が考える人気車、高額車だけを狙っているわけでは決してないからである。年末年始もご用心を!!
車両の画像はすべてイメージです。
文・写真/青山尚暉