【外出が日課になる周辺環境を選ぶ】
暮らしやすい街の魅力も住まいを決めるポイントになる
■周辺環境の充実ぶりも住みやすさを知る指標
最新のシニアレジデンスは、施設内だけで生活をしても飽きさせない機能が豊富に取り入れられている。しかし、施設内だけでなく、施設の周辺に目を向けると、より多くの魅力を発見できる。
「施設の立地はここ10~20年で大きく変化しました。通院や買い物、日々のウォーキングなどに便利な立地の施設を選ぶ人が増えています」というのは、高齢者住宅協会の永野浩子さん。
駅、スーパー、銀行などが近くにあれば、徒歩やバスなどを使い、自分の好きな時間に、好きな場所へ出かけられる。適度な運動や、気晴らしにもなり、自室にこもることなく生活にリズムが生まれることも。施設によっては、送迎用のクルマで、近隣の駅、ショッピングセンターを巡回するサービスを行なっていることもある。
公園も、外の空気を自分に取り込むリラクゼーションスポットとして気分転換に一役買う。
都市派か自然派か、住まう環境選びの基準は人それぞれ。見学会のあとは、ふらりと付近を回ってみてはいかがだろう。
最寄り駅
徒歩10分以内であれば、無理なく歩いて行けるので、電車を使い、親族や友人の家に出かけるなど、これまで続けてきた交流を継続しやすい。駅から定期的に施設の送迎車が発着していると、荷物が多くなっても安心。
公園
散歩やウォーキング、ランニングも楽しめるリフレッシュスペースとして欠かせない。大きな公園になると、園内にアクティビティやレストランを備えていることも多く、多目的で利用できる。
図書館
本好きにとって、図書館は物件選びの大きなポイントになる。年代を問わずさまざまな人が利用する雰囲気が社会とつながっている意識を高めることも。館内のイベントに参加すれば地域に早く馴染むこともできる。
銀行・郵便局・商店
頻繁に足を運ぶ場所が近くにあると、利便性が高まり、代行を頼まず、自分で入出金や買い物へ出かけられる。道すがら、近隣を見て回れば、思わぬ発見があるかも。
大型ショッピングセンター
身の回りで必要なさまざまなものが一度に手に入るショッピングセンターは、気軽に利用できるレストランも併設する人気のスポット。施設によっては、直通の送迎バスを用意するところもある。
【地域とのつながりも元気を保つ秘訣】
世代を超えて交流が広がる趣味のコミュニティも選ぶヒントに
■スポーツからペットまで多様なコミュニティ
住み替えまでに時間的な余裕があれば、施設の比較だけではなく、施設の周辺に、趣味を通じて地域の人たちとコミュニケーションがとれる、どのようなコミュニティがあるのかも調べておきたい。たとえば、公共のテニスコートやプールを拠点にしたスポーツサークルや、学校や図書館を使ったパソコン教室など、探せばかなりあるものだ。レジデンスとは違ったつながりを持つことで、地域とふれあう機会も増えていく。
「テニス、卓球などのスポーツコミュニティでは、同じ世代だけではなく、参加する若い人たちとの交流にもつながります。さまざまな年齢の人たちと会話を楽しめることも貴重な時間であり、気持ちを豊かにさせてくれます」(高齢者住宅協会の正田克成さん)
ペットと一緒に入居できるところであれば、散歩に出かけるだけでもペットを通じて地域住民との親交を深めることができる。施設での生活と同じように、地域とのコミュニケーションを広げていくことで、新しい生活により早く馴染めるようになる。
ペットのコミュニティ
ペットと一緒に入居ができる施設が増えている。犬の散歩などを通じて、自然にペットが好きな人たちとの交流が始まり、コミュニティの輪が広がっていく。
スポーツコミュニティ
周辺を散策した際に体育館やプール、スポーツ施設を回ると、サークルに参加できる情報を集められる。行政が街の活性化策として趣味のメンバーをホームページや回覧板で募る地域もある。
交流イベント
地域との交流を深めるため、地域の児童たちと楽しめるイベントを定期的に開催する施設が目立ってきた。地域側でも、新しい住民が街に馴染めるようイベントを開催していることもある。
取材・文/安藤政弘
※この記事は『ハイクラス・シニアレジデンス案内 首都圏・関西版』より転載しました。
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