【屋内外を歩いて雰囲気を感じ、自分に適しているのか見極める】
気に入った物件があれば見学会で暮らしやすさの確認を
■チェックリストをもとに見学の目安は約2時間
気に入った物件があれば、まずは資料を取り寄せてみよう。この際の電話応対も物件の質を判断する参考になる。
事業者の方針や住まいごとの特色を見て興味が増したら、見学を申し込むとよい。〝参加すると契約をすることになるのでは〞という心配は無用だが、家族や友人と出かけることで、複数の異なる視点から物件をチェックできる利点もある。
現地では主に屋内・屋外、居室、共用スペースを内覧したい。屋内外とも清掃状況をまず確認。アテンドするスタッフの応対や雰囲気、印象も忘れずメモしたい。
共用スペースは、広さや椅子の密集度、清潔感が見るべきポイント。趣味や娯楽の設備、居室では部屋の広さや収納スペースのほか、介護期を考え、浴室やトイレの広さや居室の移動の有無を忘れずに聞き取りしておくこと。
見学の目安は約2時間。チェックリストを持参し、気になるところを重点的に見て回れば、他の物件と比較しやすく、より自分と相性のいい住まいを選ぶことができるだろう。
[Check1:屋内・屋外]設え、スタッフ、行き届いた清潔さを確認
屋内、屋外とも共通で見ておきたいのが清潔さ。床や壁だけでなく、ホールのテーブルや椅子、見落とされがちな飾りつけなどの掃除の状況も確認する。整理整頓が徹底されているところは、スタッフの目が細部にも行き届いている証であり、同時にスタッフの質の高さも示している。仕事に意欲的なスタッフが多い住まいは自然と全体の雰囲気がよくなるものだ。直感で構わないので、スタッフの応対や服装だけではなく、雰囲気のよさもチェックしたい。
和のテイストがモダンに配された心地のよい空間(アリア京都鴨川御所東)。写真/太田拓実
[Check2:居室]暮らしやすさと安全性を見る
居室では、部屋の広さや収納スペース、インターネット環境などの〝暮らしやすさ〟と、緊急通報ボタンの有無、手すりの配置や後付けの可否といった〝安全性〟を見て回る。他の住まいと比較検討するうえでもコンセントの位置や数も調べておきたい。介護期を想定し、浴室やトイレの大きさもポイントとなる。居室に持ち込めるもの、持ち込めないものもこの場でヒアリングを。原則ひとり入居だが、ふたりで入居できる部屋もある。
使いやすいキッチン付きの居室。レストランメニュー、手料理ともに楽しめる(グランドマスト京都嵯峨野)。
[Check3:共用スペース]アクティビティにも注目
共用スペースの代表が、毎日の食事で利用する食堂だ。入居後の不満として「口に合わない食事を毎日食べるのが苦痛」という声をよく耳にする。ふだんの食事を見学時に体験できる場合は、味付けや量のチェックも行ないたい。囲碁・将棋室、麻雀室といった娯楽ルームやプールなどのスポーツ施設は、趣味を通じて入居者同士が交流をはかるコミュニティゾーン。趣味サークルの活動も気になるところ。談話やくつろぎに使うラウンジや屋外テラスも体験して、印象をメモに残しておきたい。
江ノ電「稲村ヶ崎駅」近くに立地。屋上テラスからは相模湾を見渡せる(鎌倉碧邸)。
屋外プールは居住者だけでなく、訪れた孫たちにも好評(トラストグレイス御影)。
ビリヤード、麻雀、囲碁やサークル活動に利用できるクラブルームなど目的別の部屋が充実(サンシティタワー神戸)。
大型ソファやひとり掛けのリクライニングシートで鑑賞できるシアタールーム(パークウェルステイト鴨川)。
中庭に面した明るく広々としたテラスレストラン。ゲストとともにゆったり食事を楽しめる(グランクレール馬事公苑)。
■対応可能なら録音・メモ・要所の撮影を
見学会で確認したいことやチェックポイント、パンフレットを見てわからなかった要点をあらかじめまとめておくと聞き洩らしがなくなり便利。見学先の許可が取れれば、説明の録音やメモ、写真撮影もしておきたい。