ふるさと納税に特化した情報メディアサイト「はじめてのふるさと納税」では、2023年1月1日から11月30日におけるふるさと納税の申し込み動向や、その商流トレンド予測を発表した。本稿では、その概要を一部抜粋してお伝えしていく。
例年は申込数が増える12月、しかし10月の制度改正の影響を受け下落傾向に
2023年は10月にふるさと納税の制度改正があり、主に「地場産品基準の厳格化」と「5割ルールの厳格化」の2つの改正が今年のトレンドに大きく影響した。
具体的には「地場産品基準の厳格化」は、例えば従来まで海外輸入の肉も、地元で一定の熟成期間を設けて「地場産品」として返礼品にできたが、これがNGとなった。
「5割ルールの厳格化」はこれまで寄付金の受領証の発行手数料などの経費は、募集に要する費用に含めなくてよいとされていたものが、経費含め5割までというルールに厳格化された。
そのため、今年は9月中までに返礼品の申し込みをした方がお得だと判断した人が早期に申し込みを終えたため、例年よりも9月の申込数が大きく増加し、12月はその影響を受け例年よりも下落するトレンドだと予想した。
実際に「はじめてのふるさと納税」の集計でも今年の9月はふるさと納税の申し込み数が例年の約2.4倍となり、大きく伸長したが、10月・11月は例年よりもすでに約2~3割申し込み数が下落しているという。
また、10月の制度改正の影響を受け、今後はふるさと納税の申し込みを行うWebサービスを、これまで以上に、よりお得な返礼品を探すため各サービスで寄付金額の価格比較をするようになると予想される。
旅行ジャンルや日用品の返礼品申し込みが増え、贅沢と節約の2極化の傾向
今後の返礼品の需要傾向は、物価高の影響を受けて嗜好品より日用品などの節約思考傾向が増えてくると予想する一方で、国内旅行者の増加傾向も影響。ふるさと納税で旅行チケットなどの旅行ジャンルの申し込みも今後は増えていくと考えられる。
上のグラフは今年「はじめてのふるさと納税」が797名に、ふるさと納税に関するアンケート調査を行った際の質問結果のひとつだ。
物価高の影響がある、または今後は可能性があると回答した人は合計で約57%。影響が出た場合の変化についての質問では、「ポイント還元率重視で選ぶようになる」等の節約志向の意見もあれば、「普段、購入しないものを選ぼうとする傾向が強くなる」といった意見もあり、2極化が進む傾向が予想される結果となっている。
こちらは同じくアンケート調査を行った際に、申込みした金額の大きい返礼品のジャンルを質問した結果のグラフになる。
「旅行券・チケット」はまだ全体の約1%だが、今後はコロナ明けによる国内の旅行者増加の影響を受け、ふるさと納税でも「旅行券・チケット」の申込者は増加していくと予想される。
また、高い肉類・魚介類を申し込みしていた贅沢品志向の人も、今後は物価高の影響を受け、節約志向に切り替わっていき、普段使いする「雑貨・日用品」の申し込みが増加していくのではないか。
■2023年 アンケート調査概要
調査エリア/全国
調査主体/はじめてのふるさと納税
調査方法/インターネットリサーチ
調査対象/10~70代の男女(計797名)
調査期間/2023年11月20日~11月30日
■2023年・調査概要(ふるさと納税 【売れ筋の返礼品TOP22】)
調査主体/はじめてのふるさと納税( https://furusato-nouzei.tax/ )
調査方法/Google Analytics アクセス数、及び楽天アフィリエイト成果報酬件数
調査対象/PV数68万 成果報酬成約件数2887件
調査期間/2023年1月1日~12月14日
関連情報
https://furusato-nouzei.tax/
構成/清水眞希