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こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
宇宙イチ分かりやすい法律解説を目指しています。
独身女性をダマした男が、訴えられた事件です。
彼は「妻とは離婚に向けて話が進んでいる」と目ヂカラ最強の大ウソをこいて肉体関係を結んでいたのです。
大ウソが発覚し、独身女性がブチギレて提訴。
以下、分かりやすくお届けします(東京地裁 H25.4.17)。
※ 争いを一部抜粋して簡略化
※ 判決の本質を損なわないよう一部フランクな会話に変換
登場人物
▼ X子
・独身女性(37歳)
▼ Y男
・男性(既婚者:39歳)
どんな事件か
H19.12ころ、X子とY男さんが出会います(詳細は不明)。
――X子さんはY男さんから何と言われたんですか?
X子
「このクソヤローからは『妻と離婚することは合意している。まだ金銭的な問題が解決していないけど事実上の離婚状態なんだ』と言われました。大ウソでした……」
その後、スムーズに男女の関係となり、Y男はX子の家に泊まったりしていました。
H20.7には、Y男はX子へ「家庭が不和だ。キミと結婚したい」とメールを送りました。大ウソです。
▼ Y男家族のアメリカ行きが確定
H21.3に、Y男さんが仕事の関係で渡米することが確定します。彼は妻子と一緒に渡米するつもりだったんです。
しかし、8月に、Y男はX子に対して繰り返し「妻とは離婚の協議をしている最中だよ」というような大ウソメールを送っていました。
▼ Y男、暴力を振るう
さらにY男はバイオレンスクソヤローだったのです。X子さんは2度も骨折させられました。
H21.4
骨折(右腓骨剥離骨折)
H21.9
骨折(左鎖骨骨折)
▼ アメリカに行くのはヤメて
X子さんは9月、Y男に対して「奥さんと子供とアメリカに行くのはヤメて、私と一緒にいてよ」というようなメールを送りました。これに対してY男は、「税金関係の問題に気づくまでは、1人でアメリカに行ってキミを呼び寄せるつもりだったんだ。時期がきたらキミと結婚したい」というような返信をしました。そう。大ウソです。
▼ いざアメリカへ!
10月、Y男は妻子とともに渡米します。Y男はまだ懲りずに、X子に対して「キミと結婚したい。キミに子供を産んでもらいたいと思っている。妻と離婚したあとキミにアメリカに来てもらおうと考えている」とメールしました。
▼ 死ね!
ついにX子さんがブチギレます。自分を残して妻子とともにアメリカに行ったY男を許せず、Y男に対して「死ねばいい」「死ね」と詰め寄ったり「自殺する」ことをほのめかすメールを送りました。
X子さんは提訴します。「このクソヤローに騙された」として1200万円の損害賠償請求をしました。