自分の実家に帰省する最大の楽しみは「みんなで食事をする時間」
年末年始の自分の実家への帰省で楽しみなことは、「みんなで食事をすること」52.3%が最多で、「おせちやお正月料理を食べられること」34.4%、「親の手料理が食べられること」30.3%と、食に関する項目が上位を占めた。
家族や親戚が集まり食卓を囲む時間は、年末年始ならではの特別なものかもしれない。「家事や育児を任せて、自由な時間を持てる(休める)こと」も約2割と、ついつい親に甘えてしまう気持ちも現れている。
自分の実家へ帰省した際に行う家事を聞いたところ、「皿洗い」40.5%、「買い出し」36.4%、「料理」27.2%と、こちらも食関連が上位にランクインしている。
「自分たちが使う空間の掃除」18.5%や「自分たちの分の洗濯」15.9%など、自分たちの家事は自分で行う人も2割近くいた。
男女別では、とくに女性は自分の実家で家事を行なう人が多く、「皿洗い」は56.1%、「買い出し」や「料理」も約4割が行っていることがわかる。
自分の実家と義理の実家を比較すると、男性は「買い出し」「自分たちが使う空間の掃除」など、実施率が同程度の項目が多い一方、女性は全ての項目において実施率に大きな差があった。
とくに「料理」を義理の実家で行なう人は、自分の実家に比べて18.8ポイントも少ない。義理の実家ではお互いが気を遣い、遠慮して手伝えない人がいることや、家事をせず、ゆっくりさせてもらえている人がいることなどが考えられる。
■4割が悩んでいる「義理の実家では気を遣う」
帰省における悩み事は、自分の実家、義理の実家ともに、「食べ過ぎること」「距離が遠いこと」「出費がかさむこと」などが上位に挙がった。
他にも、「子どもの生活リズムが崩れること」、義理の実家では「義理の実家と生活リズムが異なること」などと、生活リズムに関する項目も目立っている。
義理の実家では、4割近い人が回答した「気を遣うこと」が最も多いお悩みとなった。とくに女性では48.2%が「気を遣うこと」と回答している。
さらに、「プライバシーが限られること」や「居場所がないこと」も、自分の実家と比べて多くの人が挙げている。気を遣いすぎて疲れてしまっては、義理の家族との団らんの時間を心から楽しめないかもしれない。
帰省の際に心がけることでは、自分の実家、義理の実家ともに上位5つは同じ項目が挙がった。
「なるべく一緒に過ごす」「親戚や兄弟、義理の兄弟と交流する」など家族と過ごす時間を大切にする項目や、「健康管理をする」「ウイルス対策をする」など、コロナ禍を経て健康を意識した項目も見られる。
自分の実家と義理の実家で順位が異なるのは「なるべく生活リズムを相手に合わせる」で、自分の実家では14.9%に対し、義理の実家では5.6ポイント高い20.5%となった。
義理の実家への帰省におけるお悩みの1位が「気を遣うこと」だったが、相手に気を遣って生活リズムを合わせている人が多いことも推察できる。
おせちを食べる人のうち全て家庭で準備するのはわずか1割
年末年始に自宅で行うことを聞いたところ、1位は「年越しそばを食べる」62.4%だった。おせちも4割以上の人が食べていることから、年末年始ならではの食を楽しんでいる人が多いことがわかる。
2位は「年末年始のテレビ番組を見る」62.0%で、正月飾りを楽しむ人も26.0%など、自宅にいながら様々な方法でお正月気分を楽しんでいる人も多いようだ。
年代別で見ると、とくに差が大きいのは「おせちを食べる」だった。最も割合の低い30代では29.0%と、最も割合の高い60代の69.0%に比べ、40ポイント低い結果となっている。
その理由として、30代は帰省する人が最も多い年代で、帰省先でおせちを食べる人も多いことが言える。30代は、自宅でおせちを食べている人の合計は29.0%だが、帰省先のみで食べ、自宅では食べていない人も23.0%いることがわかった。
自宅でおせちを食べる人のうち、すべて家庭で作る人は1割以下であることが判明した。最も多かったのは「家庭で作るものと買うものがある」55.7%で、「すべて買う」と回答した人も約3割いた。
また、自宅でお正月飾りを楽しむ人のうち約4割は、お正月飾りを毎年買い替えていることもわかった。保管場所では「玄関収納」10.8%が最多となっている。「その他の居室の収納」10.0%、「リビングの収納」9.2%、「寝室の収納」6.9%などと、居室に収納している人も少なくないようだ。
調査概要
調査期間/2023年10月27日~30日
集計対象人数/500人
集計対象/全国の20~60代の既婚男女
引用/積水ハウス株式会社 住生活研究所「年末年始に関する調査(2023年)」
関連情報
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/research/20231215/
構成/清水眞希