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韓国「アジアの今がわかる 2023年トレンドトップ5」
国際通貨基金(IMF)によると、アジア地域の2023年の経済成長率は前年の3.9%から4.6%に上昇する見込みで、世界経済成長の約70%をアジア地域が占めると予想されている。
中国とインドのほか、インドネシアとベトナムは内需の回復もあり成長を後押ししている。
国際情勢はロシアによるウクライナ侵攻が昨年から続くなか、イスラエルとイスラム組織ハマスとの武力衝突が発生するなど、大きな動きがみられた1年だった。
そんな中、アジアの最新情報を分析、配信している「TNCアジアトレンドラボ」(https://tnc-trend.jp/)がアジアの「2023年トレンドトップ5」を発表。現地生活者の視点でランキング化したので紹介しよう。
「No Japan」のムーブメントは終焉し「Yes Japan」という言葉が誕生
尹錫悦大統領の就任から2年目に入り、日本とのシャトル外交が再開されるなど、日韓は友好な関係を築いている。野党は福島原発の処理水放出に反対し、デモや座り込みを連日行なった。
しかし、MZ世代に「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」や映画『THE FIRST SLAM DUNK』が大ヒット。「No Japan」のムーブメントは終焉し、「Yes Japan」という言葉が誕生。
5人組ガールズグループNew Jeansの楽曲がiPhoneのCMに起用され、世界的な人気を獲得。K-POPの影響力が世界でさらに増している韓国のトレンドランキングを紹介。
【No.1】フルーツ×飴の串刺しスイーツ「タンフル」が社会現象となる大ブーム
イチゴやみかん、シャインマスカットなど、さまざまなフルーツを串に刺して薄く飴でコーティングした「タンフル」が、社会現象ともいえるブームを巻き起こしている。
もともとは中国の伝統的なスイーツであるが、韓国で冷たく飴を薄くして提供するスタイルにアレンジしたところ、飴のパリパリとした食感と冷たい果物のジューシーさ、そして鮮やかで愛らしいヴィジュアルが支持され、2023年初頭から人気が高まってきた。
その後、「王家タンフル」、「皇帝タンフル」などのチェーン店が相次いでオープンし、「食後糖」(シックタン/食後にタンフル)という新語も誕生。
特に小学生から20代に絶大な人気があり、「昼食は辛いマーラータンを食べて、デザートは甘いタンフル」というのが、彼らの最近のルーティンになっている。
しかし流行に伴い、ゴミを道端に捨てたり、手に持ったままコンビニに入って店内を汚すなどの問題も生じている。価格は1本3,000 ~ 4,000ウォン(王家タンフルの価格)。タンフルをトッピングしたドリンクやトゥンカロン、ケーキなども登場し、バリエーションが広がっている。
■背景
タンフルは2019年頃に、仁川のチャイナタウンや明洞で注目を集めたが、その時は飴のコーティングが厚く、食感が今一つでヴィジュアルが話題になりはしたが、流行には至らなかった。
その後、飴のコーティングを薄くし、冷たくして提供するスタイルのタンフルが登場すると、見た目の可愛さだけでなく、食べる時の咀嚼音まで楽しめるとYouTubeでASMR動画が多数アップされるようになった。
これがSNSでの話題を呼び、MZ世代の間で人気に火が付いた。人気が拡大する一方で、糖分の摂り過ぎに警鐘を鳴らす記事も頻繁に掲載されている。
国民の健康への影響を懸念して、国会保健福祉委員会もタンフルに入っている過度な糖分が、国民の健康に悪影響を及ぼすものとして調査に乗り出した。