【No.4】白酒×カフェラテの白酒ラテが大ヒット!伝統酒フレーバーのドリンクが人気
2023年9月、カフェチェーン「Luckin coffee」が白酒風味のラテ「醤香拿鉄/ジャンシャンナーティエ」(19元)を発売。アルコール度数53度の貴州茅台酒を使用したもので、ラテ自体のアルコール度数は0.5度。
未成年、妊婦、ドライバーは購入できない。発売後、茅台酒のパッケージを思わせる広告デザインが話題となり、一時的に供給が停止されるほどの人気となった。
初日だけで542万杯(売り上げ約1億元)を売り上げ、その後もレギュラーの人気メニューとして定着。購入層は20 ~ 30代の男女が中心で、白酒の風味とラテを合わせたユニークなアイデア、カップ(当初は茅台酒と同じデザイン)が映えるなどと、口コミで広まった。
また、紹興市では伝統的な黄酒(紹興酒)を若者向けのドリンクにアレンジした「黄酒ミルクティー」が人気で、観光地やカフェで取り扱われている。
■背景
中国ではZ世代のアルコール離れが話題になっていた。白酒を乾杯しながら飲む中国の伝統的な宴会スタイルも中高年以上の文化となっており、伝統酒業界は今後の先細りが懸念されていた。
そもそも白酒は度数が高すぎて飲めないという若者も多かった。そんな中、数年前からGlicoのポッキーやジェラートショップのアイスなど、異業種のメーカーやショップとコラボする伝統酒メーカーが増加。
白酒ラテは、白酒を飲む層とは対極の層が利用しているカフェとのコラボということで話題となり、試してみようと考える人が殺到した。
垢抜けない昔ながらの白酒のパッケージをそのままモチーフにした広告デザインも、レトロブームの流れに乗るものだった。若者の白酒の消費量は、2021年以降に5%ほど伸びているというデータもある。