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臓器によって老化速度に差がある可能性、スタンフォード大学研究報告

2023.12.21

臓器によって老化速度に差

特定の臓器だけ他の臓器よりも老化速度が速い場合があり、そのような臓器があると病気や死亡のリスクが高まる可能性のあることが、米スタンフォード大学神経学教授のTony Wyss-Coray氏らの研究で示された。

同氏らによると、50歳以上の健康な人の約5人に1人で、少なくとも一つの臓器の老化速度が速まっていることが明らかになったという。研究の詳細は、「Nature」に2023年12月6日掲載された。

Wyss-Coray氏らは、「これは悪いことのように聞こえるが、健康増進のチャンスでもある」と主張する。なぜなら、簡単な血液検査で急速に老化している臓器を特定することで、医師は、症状が現れる前にその臓器に関連する潜在的な病気の治療を開始できる可能性があるからだ。

今回の研究でWyss-Coray氏らは、まず、5,676人分の血漿からSomaScan assayにより4,979種類のタンパク質の相対濃度を定量した。

また、ヒト臓器のRNAシーケンシングデータを用いて、11種類の臓器(心臓、脂肪、肺、免疫系、腎臓、肝臓、筋肉、膵臓、脳、血管、腸)で発現している遺伝子のうち、発現量が他の臓器の4倍以上の遺伝子を臓器特異的遺伝子としてピックアップ。

これらの遺伝子情報を4,979種類のタンパク質に注釈付けし、最終的に、臓器特異的なタンパク質として856種類(17.9%)を得た。

次に、これらの情報を用いて機械学習モデルを構築し、11種類の臓器の一つ一つに焦点を当てて臓器特異的タンパク質のレベルを測定し、その人の年齢(暦年齢)とその臓器の生物学的年齢の差を導き出した。

その結果、研究の対象となった50歳以上の人のうち、平均よりも有意に老化速度の速い臓器が一つ以上ある人の割合は18.4%に上ることが明らかになった。

老化速度の速い臓器が複数ある人の割合は60人中1人程度(1.7%)であった。また、11種類の臓器のうち腸を除いた10種類の臓器において、暦年齢と臓器の生物学的年齢の差はその後15年間の追跡期間の全死亡リスクと関連を示し、老化速度の速い臓器がある人では、臓器によって差はあるものの、その後15年間の全死亡リスクが15~50%高いことが示された。

また、老化速度の速い臓器は、その臓器特異的な疾患との関連も示した。例えば、心臓の加齢が進んでいる人では心不全リスクが250%増加しており、また、脳と血管の加齢から、タウタンパク質とは無関係にアルツハイマー病の進行を予測できる可能性も示された。

このほか、腎臓の急速な老化は高血圧と糖尿病のリスクに関連していたほか、心臓の極度の老化は心房細動や心筋梗塞のリスクに関連していることなども示された。

Wyss-Coray氏らは、より多くの人を対象とした大規模な研究を行い、今回の研究で得た結果の信頼性を高める予定だとしている。

同氏は、「もし5万人、あるいは10万人を対象とした研究で今回の結果が再現されれば、一見、健康に見える人の個々の臓器の状態をモニタリングして体内で老化が急速に進んでいる臓器を見つけ出し、病気になる前に治療を開始できるようになる可能性がある」と語っている。(HealthDay News 2023年12月7日)

Copyright © 2023 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.nature.com/articles/s41586-023-06802-1

Press Release
https://med.stanford.edu/news/all-news/2023/12/aging-organs.html

構成/DIME編集部

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