アドビは、アドビアプリケーションの新デザインシステム「Spectrum 2」を発表した。2024年初頭にウェブ版製品に導入し、その後ツールやエクスペリエンス全体に展開する予定だ。
アドビアプリケーションにおけるユーザーエクスペリエンスを再構築
「Spectrum」は、2013年にアドビ製品とエクスペリエンス全体に初導入されたデザインシステム。同社は、生成AI「Adobe Firerfly」のリリースにより、アドビのユーザー層が拡大していることから、今回「Spectrum」の大幅アップデートを実施。「Spectrum」からの主な改善点は、「より包括的で便利にすること」「より親しみやすく表現豊かにすること」「どのプラットフォームも“慣れ親しんだ”ものにすること」の3点となる。
まず、より包括的で便利にするため、アドビでは、「より機能的なコントラストと明るさ」「より多くの人が利用できるカラー」「視覚的要素を優先順位付けするアテンション階層」の3分野に注力。
「より機能的なコントラストと明るさ」では、アダプティブパレットを使用して、好みに合ったカラーをリアルタイムで生成し、ユーザーが自分好みのインターフェイスを選択できるようにする。
「より多くの人が利用できるカラー」では、様々な色覚障がいに対応できるよう、データビジュアライゼーションに使用するカラーの見直しや、2つ以上のカラーが同じ名前で呼ばれる可能性がある場合、競合するカラー名(例:ピーチ、オレンジ、サーモン)の排除などを行なう。
そして、「視覚的要素を優先順位付けするアテンション階層」では、ハイライトカラーの使用を最も重要なアクションだけに限定し、一般的なコントロール部分からは削除したほか、ナビゲーションゾーンとコンテンツゾーンを分離し、奥行きと段組みを加えた。
↑色の濃さやコントラストをカスタマイズできるオプションを提供するなど、個人の好みやニーズに幅広く対応
また、より親しみやすく表現豊かにするために、「Spectrum」の最初のバージョンは、グレーを基調としたミニマルなデザインだったが、「Spectrum 2」では、アイコンやタイポグラフィなどを再構築し、アドビのエクスペリエンスをより親しみやすく、印象に残るデザインにした。
さらに、どのプラットフォームも“慣れ親しんだ”ものにするため、「Spectrum 2」では、プラットフォーム(OSX、Windows、iOS、Android、webなど)ごとに異なる外観を用意。
「Spectrum」が最初に設計されたときは、同じアプリでもOSによってユーザーエクスペリエンスが異なるのが一般的であったことから、可能な限りどのプラットフォームでも一貫性を維持する方針で「Spectrum」をデザインしたが、ユーザーが好みのデバイスやプラットフォームでアドビツールを“慣れ親しんだ”方法で使えるように、各プラットフォームに特化したデザインをあらかじめ提供することにしたという。
↑モバイル(左)から複合現実(右)まで、各プラットフォームの特性に合わせることが可能
関連情報
https://s2.spectrum.adobe.com/index.html
構成/立原尚子