高ストレス率が最も高いのは、飲酒頻度「毎日」の群
図2
図2は飲酒頻度別の高ストレス者率を示したもの。高ストレス者率が最も高かったのは、飲酒頻度「毎日」の群18.8%だった。以下、「全くない」の群16.6%、「4~6日/週」の群16.4%と続き、高ストレス者率が最も低かったのは「1~3日/週」の群14.1%という結果になった。
ちなみに高ストレス者率とは、実際に受検をした人の中で、高ストレスと判定された人がどれくらいいるかを示した割合。
<高ストレス者とは>
・ ストレスの自覚症状が高い人
・ ストレスの自覚症状が一定程度あり、かつ仕事の負担と周囲のサポート状況が著しく悪いと判定された人
■飲酒習慣が「全くない」の群より「1~3日/週」の群のほうがストレス反応は低い
図3
ストレスチェックでは、ストレス反応を問う設問が29問用意されている。今回の分析では、各設問に対して、「そうだ」「まあそうだ」を良好な回答群、「ややちがう」「ちがう」を不良な回答群として算出している。
図3は、飲酒頻度が「全くない」の群と「1~3日/週」の群のストレス反応における不良回答差が大きかった設問だ。これらの設問すべてにおいて、「1~3日/週」の群よりも「全くない」の群のほうが、ストレス反応が高いという結果となった。
調査結果まとめ
1週間あたりの飲酒頻度と高ストレス者率を調査したところ、飲酒頻度が「毎日」の群で高ストレス率が最も高く、「1~3日/週」の群が最も低い結果になった。
また、飲酒習慣の有無でのストレス反応における不良回答率を比較したところ、飲酒習慣が「全くない」の群よりも「1~3日/週」の群のほうが良好傾向にあることがわかった。
少量のアルコール摂取は気持ちをリラックスさせる作用がある一方で、多量摂取すると心身に悪影響を与える。
たとえば、アルコール依存症や、うつ、臓器への障害のほか、生活習慣病やがん、脳萎縮や認知症など、健康面でのリスクが非常に高くなる。
社員一人ひとりが健康にいきいきと働くためには、飲酒への正しい知識を持つことが大切。飲酒のメリット、デメリットを考えた上で酒と上手に付き合っていけるよう、サポートしていきたい。(監修:ドクタートラスト保健師 根本裕美子氏)
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調査概要
調査期間/2022年4月1日~2023年3月31日
調査対象/ドクタートラスト・ストレスチェック実施サービス2022年度契約企業・団体の一部
対象人数/5637人
関連情報
https://doctor-trust.co.jp/
構成/清水眞希