は同社が運営する情報キュレーションサービス「グノシー」内の2023年における掲載記事を対象に調査を実施。年代男女別の「グノシー年間記事ランキング2023」を発表した。
2023年カテゴリ別ランキング(年代・男女別)
(1)政治経済
政治・経済」部門では4月に和歌山県の漁港で起きた岸田首相襲撃事件(「逮捕されたのは木村容疑者 動機を捜査」)が幅広い年代で注目された。
年代別では、30代女性でマグネットセットや水で膨らむボールが誤飲事故防止のため販売中止となったニュースが、40代男性ではアンテナショップの東京撤退を扱ったニュースが読まれるなど性別・年代ごとの関心を反映したランキングとなった。
(2)社会
「社会」部門で特徴的な読まれ方をした記事は、スシローでの迷惑動画がSNSで拡散された少年に対してスシロー側が損害賠償請求を取り下げたニュース。このニュースは世代を問わず男性ユーザーに注目された。
ほかにも「志村けんさんに新型コロナを感染させた」とSNSに投稿された女性が名誉を傷つけられたとして投稿した男女26人を提訴した記事がランクインするなど、SNSが介在した出来事が注目される1年だった。
また、2023年は数々の著名人が逝去された年でもあった。
政財界ではトヨタ自動車の豊田章一郎名誉会長、細田博之衆院議員、文化人では漫画家の松本零士さん、作家の畑正憲さん、伊集院静さん、脚本家の山田太一さんが逝去された。
芸能界では財津一郎さんと笑福亭笑瓶さんとryuchellさん、音楽界では坂本龍一さん、KANさん、谷村新司さん、もんたよしのりさん、BUCK-TICKの櫻井敦司さんらが逝去された1年となった。
(3)スポーツ
「スポーツ」部門では8月の羽生結弦さんの入籍発表と11月の離婚発表のどちらも女性ユーザーを中心に注目を集めた。また、3月にWBCで侍ジャパンが米国に勝利して3大会ぶりの制覇を果たした快挙もあり、50代以上男性には大谷翔平選手の活躍をはじめとした野球関係の話題が好んで読まれていた。
(4)国際
「国際」部門では6月に起きたタイタニック号見学ツアーの潜水艦事故が年代を問わず読まれた。また、2月のトルコ地震に関連して、シリアで幼い姉妹ががれきの下から救出されたニュースが女性ユーザーを中心に注目された。
そのほか10代男性で北朝鮮の飛翔体発射の事前予告がランクインしたほか、50代以上男性にはロシア・ウクライナ情勢に関する記事が引き続き関心を集めているなど、緊張する国際情勢に注目が集まっている。
(5)エンタメ
20代以下のユーザーでは男女ともにYouTuberにまつわる記事が登場。YouTuberがZ世代を含む10代〜20代にとってテレビタレントと変わらない注目を集めていることが推察できるランキングとなった。
また、ほとんどの年代・性別のユーザーに旧ジャニーズ事務所所属タレントの熱愛報道が登場したのも今年の特徴だろう。
(6)ファッション・美容・ヘルスケア
「ファッション・美容・ヘルスケア」部門では、異常な猛暑を反映した記事がランキング入り。高温多湿の状態では扇風機で熱中症リスクを軽減できないという記事や、水分摂取だけでなく体を冷やすことの大切さを語る記事などが広い世代に読まれた。
また、10代と30代の女性にはGUのファッションアイテムを使ったコーディネートの記事が注目された。
(7)グルメ
「グルメ」部門では、ローソンストア100が出した1000キロカロリー超のドーナツを取り上げた記事が10代女性を除くすべての世代・性別でランクイン。
どちらかというと男性ユーザーのほうでより注目されたようです。商品紹介以外のグルメ記事に着目すると、50代以上女性にカボチャやサトイモもといった旬の食材を使ったレシピが読まれた。
2023年の特徴
(1) スポーツ関連ワード(2023年版)
比較:2022年版
昨年は北京で開催された冬季五輪にちなんだニュースが目立った。高梨沙羅選手らがジャンプスーツの規定違反で失格になったニュースへの注目が高かったことがわかる。
一方、今年は2月に開催されたWBCで侍ジャパンが優勝を勝ち取って日本中が歓喜に包まれたのち、引き続き大谷翔平選手の二刀流の活躍に大きな注目が集まった。
来年はパリ五輪が開催される。注目を集めるのはどのような話題になるのか。
(2)AI関連ニュース記事数・記事PV
※2023年12月は12月5日時点から想定される予想数値
2023年はAI関連ニュースが記事数、記事PV(ページビュー=閲覧数)ともに昨年に比べ大きく伸びた。
特に記事PVが高かった4月と10月によく読まれた記事をそれぞれ見ると、4月にはAmazonが生成AI事業に参入を発表したニュースが読まれた。
また、東京大学が生成AIへの見解として、人類が「ルビコン川を渡ってしまったのかもしれない」と大きな転換点を迎えた可能性を示唆したニュースも注目された。
10月になるとマッチングアプリ「オタ恋」が生成AIを利用した画像広告で女性入会者数を増やしたとする運営へのインタビュー記事や、AIで生成したタレントを起用した「お〜いお茶」テレビCMについての記事が読まれた。
4月の時点とは異なり、AIが産業に活用される段階に入ったことと思わせるラインアップと言えるだろう。
調査結果まとめ
2023年に入り、マスク着用が個人の判断に委ねられ、スポーツでの声出し応援が解禁されるなど、アフターコロナで人々の交流や経済活動が活発になった。WBC優勝や大谷翔平選手の活躍など明るいニュースもああった。
一方で、夏の猛暑が非常に厳しく、熱中症や災害が多く発生した年でもああった。各地で人里へのクマ出没が過去最多となったことも背景には猛暑によるエサ不足があると指摘されている。
芸能界では旧ジャニーズ事務所の体制変更が耳目を集めるとともに、YouTuberがZ世代を含む10代〜20代を中心に芸能人と変わらぬ注目を浴びた。
IT分野では、世界的に生成AIの進歩が注目を集め、実際に国内でもビジネスや教育の現場などで応用され始めた。生成AIが我々の暮らしに大きな影響を与えた転換点として将来振り返られる1年となりそうだが、その一方で、SNSを介して飲食店での迷惑行為を拡散するといった行為が問題視された1年でもあり、IT技術をどのように使うべきかということを深く考えさせられるラインアップとなった。
調査概要
調査方法/グノシー内過去掲載データにおける自主調査
調査期間/2023年1月1日〜2023年12月4日
調査対象/グノシーと提携している全メディアの記事を集計(広告記事は除く)
対象媒体/グノシーと提携する全メディア ※メディア数非公表
構成/清水眞希