汎用人工知能が求められる理由
近年、汎用人工知能が注目を浴び、広く求められるのはいったいなぜなのでしょうか。その理由を整理していきましょう。
■汎用性の高さと労働力不足の解決に期待
汎用人工知能が広く求められる理由は、大きく『汎用性の高さ』と『労働力不足の解消』の二つに分かれます。
前述の通り、汎用人工知能は、従来の人工知能と比較して汎用性に優れているのが特徴です。機械が自ら学習し、状況判断をしながら応用していくことで、より人間に近い思考や意思決定が可能となります。
汎用人工知能を活用することで、対応できる物事の可能性も広がり、ビジネスはもちろんのこと、社会問題の解決といった大掛かりな成果も期待できるかもしれません。
また、機械が人間に近い活躍をすることにより、近年大きな課題となっている労働力不足の解消にもつながります。人間が請け負っていた仕事を機械に任せることで、従業員一人一人の負担も減少し、労働環境の改善にも役立つでしょう。
汎用人工知能の開発を行う企業事例
実際に汎用人工知能を開発しているのは、いったいどのような企業なのでしょうか。実際の事例を紹介します。
■OpenAI
『OpenAI』は、世界的な知名度を持ち、多くのユーザーを生んでいる会話型AI『ChatGPT』の開発企業です。
ChatGPTでは、テキストでプロンプトを入力することにより、まるで人間とやりとりをしているかのような自然な言葉で回答を得られます。プランによっては、テキストだけでなく画像の生成や認識も可能です。
なおOpenAIでCEOを務めるサム・アルトマン氏は、汎用人工知能の開発について、人類史上最重要事項とする一方で「希望に満ちてはいるものの恐ろしいプロジェクト」とも語っています。
出典:OpenAI
■Google DeepMind
『Google DeepMind』は、AI分野の研究や開発を目指すGoogle社が、2014年に買収した『DeepMind』と『Google Research』のBrainチームとを統合する形で2023年4月に設立されました。
設立から間もない2023年12月には、長年未解決だった数学的問題を解決したり、社会の発展に寄与するアルゴリズムを発見したりすることが可能な新システム『FunSearch』を発表しました。今後の研究成果が期待されている企業です。
構成/編集部