「ポケモンスリープ」をプレイすることが睡眠時間の向上を促している可能性
LINEヤフーは、同社の多様なサービスから得られる行動ビッグデータを分析できる事業者向けサービス「ヤフー・データソリューション」を展開している。
先日、睡眠ゲームアプリ「ポケモンスリープ」がそのユーザーの睡眠活動にどのような影響を及ぼしたのかをデータから調査・分析したレポートが公開されたので、その概要をお伝えする。
本レポートでは、「ポケモンスリープ」と共に「攻略」「厳選」を検索しているユーザー群を「ポケモンスリープ」のユーザー群と定義。そのユーザーと性別、年齢、1年間のヤフーでの検索回数が類似しているユーザー群を比較ユーザー群と定義した。
その上で、ヤフーサービスの閲覧データを用いて睡眠時間を推定。「ポケモンスリープ」のユーザー群と比較ユーザー群とで「ポケモンスリープ」リリース後の1か月間の平均睡眠時間を比較した。
その結果、「ポケモンスリープ」リリース後の推定睡眠時間は、比較ユーザー群が1分しか増えていない一方で、「ポケモンスリープ」のユーザー群は約26分増加していることがわかった。
「ポケモンスリープ」をプレイすることが睡眠時間の向上を促している可能性が考えられる。
「ポケモンスリープ」のユーザー群は睡眠への関心が強い傾向
睡眠活動改善を意識する検索キーワード(2023年7月1日~2023年9月30日)
また、「ポケモンスリープ」のユーザーが特徴的に検索しているキーワードを調査し、ゲームをプレイすることが睡眠への意識に影響を及ぼしたかどうかについて分析を行なった。
「睡眠」または「寝る」が部分一致で含まれており、睡眠活動改善に関連する検索キーワードを抽出して比較ユーザー群と比較した結果、比較ユーザー群では睡眠活動を改善するキーワードが3件しかない一方で、「ポケモンスリープ」ユーザー群のランキングには「睡眠の質をあげる方法」や「深い睡眠をとる方法」、「睡眠負債 解消法」といったより具体的な睡眠の改善策を求める検索キーワードが見られた。
「ポケモンスリープ」のユーザー群は、比較ユーザー群より睡眠への関心が強い傾向にあることがわかる。
睡眠活動改善を意識する検索キーワード(2023年4月1日〜6月30日)
なお、ゲームのリリース前の時期についても分析したところ、結果は上記のとおりとなり、「ポケモンスリープ」のユーザー群はそもそも睡眠への意識が高い層である可能性が示唆された。
しかしながらゲームのリリース後、比較ユーザー群の特徴度(※)、検索キーワード数にはほとんど変化が見られないことに対し、「ポケモンスリープ」ユーザー群は特徴度の大きい検索キーワードが増え、検索キーワード数も増加している。
このことから「ポケモンスリープ」ユーザー群は、「ポケモンスリープ」の導入によって睡眠活動への意識がより強まった可能性があることがわかる。
※特徴度 ヤフー・データソリューションが展開するデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」で用いられる、特定の属性(性年代、地域など)がそのほかの属性と比較して「そのキーワードをどれくらい特徴的に検索しているか」を表現したスコア。5を最高値として、値が大きいほど検索されやすい特徴を示している。
関連情報
https://ds.yahoo.co.jp/report/20231213.html
構成/清水眞希