2020年5月に内閣官房日本経済再生総合事務局が発表した「フリーランス実態調査結果」によると、日本国内のフリーランス人口は462万人程度と試算されている。
今般コロナ禍によって働き方の多様化が進んだことや、企業による副業解禁などにより、フリーランスとして働くことへの関心も高まっていると考えられる。
そこでIndeed Japanはフリーランスに関する仕事の検索動向について調査を実施。回答結果をグラフと図表にまとめて発表した。
2018年10月から2023年10月までの同月比は全ての月で前年を上回る増加
・Indeed上で求職者が仕事を探す際に、フリーランスに関連するキーワード(「フリーランス」「業務委託」「フリーランサー」「個人事業主」)で仕事を検索する割合は、2023年10月は2018年10月と比較して3.1倍に増加している。
・2018年10月から2023年10月の5年間の同月比でみると、全ての月で前年を上回る増加が見られた。
・「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が改訂(副業や兼業を原則的に認める)された2020年9月以降緩やかに増加し始め、2023年10月にかけて1.5倍に増加した。
■「フリーランス」「業務委託」と一緒に仕事検索されるキーワードから読み取れる、在宅勤務へのニーズと人手不足への活用可能性
・「フリーランス」および「業務委託」それぞれと一緒に検索されるキーワードとして、どちらも「在宅」がトップとなっており、フリーランスや業務委託の仕事を探している人には在宅勤務へのニーズが高いことが示唆された。
・「業務委託」と一緒に検索される職種として「軽貨物ドライバー」「ドライバー」が上位であることから、業務委託の仕事を探す求職者はドライバー職に従事することに関心を寄せている傾向が強いことが明らかになった。人材不足感の高いドライバー職において、フリーランス人材を業務委託として活用することが人材確保のための有効な手段の一つになりうると考えられる。
調査結果について
Indeedエコノミスト 青木雄介 氏
コロナ禍以降、人々の仕事に対する価値観や働き方が多様化したことに加え、主体的なキャリア形成への関心が高まっていることなどを背景に、自身のスキルや経験を活かし、フリーランスとして働く人が増加していると考えられます。
それを後押しするように、フリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が可決され、2024年秋には施行予定です。フリーランスとして働く人がより安定的に、安心して働ける環境が整うことで、今後よりフリーランスという働き方を選択する人が増加していく可能性があります。
今回の調査で、フリーランスに関する仕事検索割合は2018年10月から2023年10月で3.1倍に増加しており、求職者においてフリーランスとして働くことに対する関心が増加傾向にあることが示されました。
また、フリーランスとして働く意向のある求職者の関心事を調べるため、「フリーランス」および「業務委託」それぞれのキーワードと一緒に検索されているキーワードを調査したところ、どちらも「在宅」がトップとなり、在宅勤務へのニーズが高いことが明らかになりました。
働き方を自由に選べることも、フリーランスの魅力と言えるでしょう。さらに、「業務委託」と一緒に検索されている職種に関するキーワードは「軽貨物ドライバー」、「ドライバー」が上位であったことから、業務委託としてドライバーに従事したいと考える求職者が多いことも明らかとなりました。
ドライバーの人材不足が社会的な課題となっている中、企業が取引の適正と労働安全衛生に留意しながら、業務委託としてフリーランスのドライバー人材を活用することは、課題解決に向けた有効な選択肢のひとつになると考えられます。
調査概要
調査主体/Indeed Japan株式会社
調査対象期間/2018年10月〜2023年10月
調査方法/対象期間において、日本のIndeed上での仕事検索のうち、「フリーランス」に関連するキーワードを含む仕事検索数(※)を調査し、100万件あたりの割合を算出。
※「フリーランス」、「フリーランサー」「業務委託」「個人事業主」いずれかの文言を含む検索を指す。
関連情報
https://jp.indeed.com/press/releases/20231208
構成/清水眞希