証明写真って、どうしていつもうまく撮れないのだろう。
先日、パスポートの更新をするため、
久しぶりに証明写真を撮った時に、改めて思った。
プリクラ全盛時に青春を謳歌していたし、
スマホの普及によって撮られることがグッと増えたのに、
証明写真だけは、慣れることがないのだ。
一度撮ったら、その先しばらく見続けることになるから、
失敗してはいけないというプレッシャーを感じるからだろうか?
顔や腰の位置を固定して、まずは1枚。
最初はいつも、怒っているような顔になってしまう。
表情を柔らかくするよう意識して、もう1枚。
今度は中央線がずれているような気がしてくる。
再度位置を確認して、もう1枚。
位置は完璧だったのに、髪型が左右対称でないことに気がつく。
最後のチャンスだと言い聞かせて、もう1枚。
これまでの中では一番マシなので、迷わず選ぶ。
結局、消去法で選ばれただけなので、何だかいまいち。
たまにしか撮らないからこそ、永遠に慣れることはないんだろう。
プリントアウトされた写真を、仕事の現場で仲間たちに見てもらった。
「え、そんなに変ですか?」
「私のよりマシだよ!」
自分で思っているほど、悪くもないらしい。
ついでに皆の身分証明証も見せてもらった。
「これは本当にひどいんですよ」
「笑わないでくださいね!」
なんて言われたけれど、驚くほど普通でちゃんとしている。
どこが気になるんだろう?
自分以外の人間は、写りの良し悪しなんて気にならないんだなぁ。
写真は、今回お世話になった証明写真機。
次こそは満足いく写真を撮りたい。
テレビ朝日アナウンサーを経て、2019年よりフリーとして活動。現在、『池上彰のニュースそうだったのか!!』(テレビ朝日)、自身初のラジオ番組『日本郵便 SUNDAY’S POST』(TOKYO FM/JFN)、『テンカイズ』(TBSラジオ)、MCを務める『土曜はナニする!?』(関西テレビ・フジテレビ系)などに出演中。
文/宇賀なつみ
※「宇賀なつみ 素顔のままで」は、雑誌「DIME」で好評連載中。本記事は、DIME1月号に掲載されたものです。