どんなことを学べる？武蔵野大学が「ウェルビーイング学部」を開設

ウェルビーイング学部

　東京・武蔵野大学では、仏教の根本精神である「生きとし生けるものが幸せになるために」という建学精神に基づき、ブランドステートメント「世界の幸せをカタチにする。」を2016年に発表。創立100周年となる2024年4月、世界初のウェルビーイング学部を開設する。世界的に注目の高まるウェルビーイングとは「幸福で、心身的・社会的に満たされた状態」を意味する概念だ。

「ブランドステートメントを実現する取り組みをもとに、社会全体のウェルビーイングの実現と、建学精神の体現を目的に設置を決めました」（武蔵野大学・広報課）

　開設後の展望をこう話す。

「科学や技術に関する最先端の知見や成果を取り入れた学際的なアプローチにより、幸せ・生きがい・安心・福祉・健康・平和など、人と世界のウェルビーイングをデザインし、創造できる人材の育成を目指します」（同）

　卒業後の進路は、民間企業や自治体、医療、福祉、教育といった幅広い分野でウェルビーイングを促す〝ウェルビーイングデザイナー〟などが考えられる。紛争や貧困・格差などの難題を抱える現代社会において、ウェルビーイング学部に寄せられる期待は高い。

　ウェルビーイングの研究は海外が先行するため、国内よりも海外のほうが就活の場は広く、需要も高い。同学部で海外経験を積んだ人材が、世界で活躍する可能性は大だ。

武蔵野大学 ウェルビーイング学部
ウェルビーイング学科
主なカリキュラムの概要

●全学共通基礎課程 武蔵野INITIAL
●ウェルビーイングの基礎を学ぶ基盤科目群
●幸せな自己と世界を探求する科目群
●幸せな未来を創造する科目群

ウェルビーイング研究の第一人者である前野隆司教授が学部長を務める。大きく分けて「哲学・思想・宗教」「社会学・心理学・医療福祉学」「イノベーション学・教育学」という3つの分野の専門家を教員として起用し、人材の育成に当たる予定。

ウェルビーイング学部 実習先

【1】タイワノイエ（北海道苫小牧市）
【2】小栗八兵衛商店（長野県上高井郡小布施町）
【3】ブラウンズフィールド（千葉県いすみ市岬町）
【4】小さな地球古民家したさん（千葉県鴨川市釜沼）
【5】ZATTA ZISSE（沖縄県中頭郡中城村）
【6】あなたの幸せが私の幸せ（埼玉県熊谷市）
【7】一静会ほか（千葉県浦安市）
【8】長良川カンパニー（岐阜県郡上市）
【9】岩本食品ほか（和歌山県日高郡）

全国の実習先として企業や団体と連携。2年次には自然体験、3年次には様々なプロジェクトに取り組む。また、2〜4年次には海外実習も選択できる模様だ。

取材・文／安藤政弘