3Dプリンターでつくられたサプリメント・グミが日本初上陸
さらに加速していくことが予想されるグミ形態サプリメント市場ですが、今年は画期的な商品が日本に初上陸しました。イギリス発のスタートアップ企業・Rem3dy Health (レメディ・ヘルス)が展開する、3Dプリンターでつくられたサプリメント・グミ製品「ナリッシュ3D」です。
2020年から英国と米国で発売を開始し成功を収めたこの商品は、日本市場ではサントリーホールディングスの出資と協力を受けての上陸です。
パーソナライズとはどういうことかというと、公式サイトで簡単なアンケートに回答すると、30種類以上の有効成分の中から、最大7種類の栄養素の組み合わせが算出。それに沿って3Dプリンタで有効成分ごとに層が重なった状態のグミが成型されます。1粒でその人にとって必要な有効成分が詰まったグミに仕上げるために、3Dプリンターでの成型が必要というわけです。なんと商品の開発にかけた期間は18か月だとか。
すでに日本ではグミ形態サプリメントが多く発売されていますが、どこに勝機を見ているのでしょうか? Rem3dy創業者兼CEO、Melissa Snover(メリッサ・スノーヴァー)さんに聞きました。
「日本ではパーソナライズド・ニュートリション(一人ひとりの体質や栄養バランスに合わせて栄養改善を行っていくこと)への関心が高まっており、それを好機と考えました。
世界のパーソナライズされた栄養食品市場は大きく成長すると予測されている中、特に高齢化が進んでいる日本は、食生活と健康に対する意識が高まっていることから、重要な地域であると考えています。
また、自然で化学物質を含まない製品への注目が、オーガニック、アレルゲンフリー、ヴィーガン対応であるナリッシュ3Dの需要をさらに高めると考えています。」(Melissa Snoverさん)
ターゲット層としては、健康志向の大人や、革新的な製品に前向きなテクノロジーに精通した消費者、サプリメントを使用する傾向の高い30歳以上の女性などを想定しているのだそう。
「グミ」という名前ではあるものの、食感や味はプルプル弾力のある「日本のグミ」とな異なるものだとか。
「キャンディーのようなグミ形態サプリメントとは異なり、ナリッシュ3Dはよりソフトな食感です。甘味料としてエリスリトールを使用することで、砂糖不使用ながら甘味のある味を実現しています。今回の日本発売に合わせ、ゆず、グリーンアップル、ブラッドオレンジ、パイナップルという日本人の好みに合わせた4種類の特別なフレーバーを用意しています。」(Melissa Snoverさん)
いくつものサプリメントを摂取するのが面倒な人や、何を飲めばいいのかわからない人には、自分に必要な成分が1粒になったグミを食べるだけでOKというのは、ありがたい存在。オーダーごとに成型することを考えれば、1か月分8000円という価格は案外お手ごろなようにも感じます。
今後はインフルエンサーや店舗、プラットフォームとの連携をはかり、ターゲット層へのアプローチを積極的にしていくそうなので、実物のナリッシュ3Dを目にする機会が増えるかもしれません。
取材・文/安念美和子