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4月に小学校に入学するお子さんのお宅では、入学準備を意識し始めた方も多いのではないでしょうか。
小学校への入学は、子どもの成長段階の中でも特に大きな出来事で大いに喜びたいところですが、最近はなかなか難しい問題がたくさんあるようです。
入学前は、保育園(厚生労働省)、認定こども園(内閣府)、幼稚園(文部科学省)に通っているお子さま方は、同じ「小学校」に入学します。
このような、管轄が異なり複雑化した保育制度も昨今話題になっている「小1プロブレム」の要因と考えられています。
この記事では、「小1プロブレム」と呼ばれる子どもの行動と、その対応策を幼児をもつママ・パパのための情報サイト、小学館の幼児教室ドラキッズ『まなびドア』からご紹介します。
「小1プロブレム」とは?
「小1の壁」という言葉も耳にしますが、これはお子さんではなく、親が直面する問題のことで、子どもを預ける場所や時間が少なくなったり、宿題のフォローやPTA活動などの負担が増えたりして、仕事と子育てとの両立が難しくなるということを指しています。
一方「小1プロブレム」とはお子さんが直面する問題のことです。
入学前までは自由に遊んで過ごしていた子どもたちが、小学校に入学すると、急に、45分間座ったまま、黙って授業を聞いたり、集団で行動をしたりする生活に変わらなくてはならないのです。
小学校入学前、子どもたちは、保育園(厚生労働省)、認定こども園(内閣府)、幼稚園(文部科学省)と異なる管轄の保育制度のもとで生活をしてきました。それが入学を機に小学校で生活を共にすることになるのです。
親世代のころにはあまり取り上げられることもなく、みんなが通った道ですが、実はこのように現代の社会状況や子どもたちを取り巻く環境の変化に影響されています。
・授業が始まる時間になっても、教室に戻ってこない。
・先生が話しているときに急に話し始める。
・授業中に席を立って教室を歩き回る。
・感情に任せてものを投げる。
このような行動が原因となり、学級崩壊が起こるということも少なくないと言われます。
最近の保育園や幼稚園では、先生が一人ひとりの子どもたちに声をかけて回ってくれるスタイルが主流となっています。だから、いまの子どもたちは集団で行動することに慣れていないのです。
また、少子化、核家族化、共働き家庭の増加、またコロナの影響で、子ども同士や、大人とのコミュニケーション機会がさらに減少していることも一因と考えられています。
「幼小接続不足」のをはじめとして、複雑化した保育制度の問題は重要視されてきています。2023年4月にはこども家庭庁が発足。縦割り行政による保育制度の複雑化、弊害の是正・解消も期待されるところです。
「小1プロブレム」が原因で、学校生活になじめず、1年生から不登校になってしまうお子さんも少なくないといわれますが、そうならないために、どうすればよいのかを考えてみましょう。
「小1プロブレム」を防ぐためにできることって?
子ども家庭庁の設置に伴い、保育園や幼稚園と小学校が連携して入学前からできるだけ小学校生活をイメージできるような取り組みが進み「小1プロブレム」は徐々に改善しているともいわれていますがまだまだ地域によっても差がありそうです。
では、家庭として、入学前にどのようなことに気を付けて過ごしておけば、「小1プロブレム」を防ぐことができるのでしょう。
対策方法を考えてみましょう。
1:子どもの自己肯定感を高める
5・6歳になると、子どもは自分から「やってみたい!」と思う気持ちが強くなっています。
一方で集団の生活の中では相手のペースや気持ちに合わせることが求められて我慢が必要な場面が増えてきます。これはこれでストレス耐性を高めるためにもとても大切です。
ただ、そのようなことばかりだと「いつも怒られる」「何もしないほうが怒られない」と感じてしまう子もいます。
「チャレンジできてすごい!」「自分からお手伝いしてくれてありがとう!」「ひとりでできたね!」など、できたことを積極的に褒める声かけをしていきましょう。自己肯定感が高いお子さんはお友だちにも優しくできますし、積極的に自分から行動することができるようになりますよ。
2:自分で考えて行動する習慣
保育園・幼稚園では大人が手伝ってくれたことも、小学校に入学すると先生の指示を自分で聞いて判断し、自分で行動しなければならないことが増えていきます。
自分の身の回りのことをひとりでできるようにしておくことで、小学校での生活もスムーズに送ることができます。
具体的には次のようなことをひとりでできるようになるといいでしょう。
・挨拶、返事ができる
・相手の話を聞く
・イスに座っていられる
・時計が読める。時計を見て行動する。
・必要なものの用意や片付け
特に時計が読める、時計を見て行動する習慣は大切。チャイムで行動するという学校の習慣にもつなげることができます。最近ではチャイムが鳴らない、時計を見て自分で行動するという学校もありますから、特にこれは重要だと言えるでしょう。
3:コミュニケーション能力を高める
まとめていってしまうと「コミュニケーション能力」ですが、まずはあいさつと返事。そして「傾聴力」「表現力」を身につけておくことです。お話を聞いて行動する、自分の考えを相手に伝えられる力が必要です。
子ども同士はもちろんですが、家族以外の大人とのコミュニケーション機会を多く持っておくことで社会性が身につき、学校でたくさんの先生を前にしても対応しやすくなるでしょう。
「小1プロブレム」対策としても役立つ習いごと
とはいえ、家庭だけでは入学準備は難しいものです。保護者としては、家族以外の大人や、同じ年齢のお子さん同士のコミュニケーション機会を作ってあげることもできることの一つです。習いごとをするのも効果的かもしれませんね。
例えば小学館の幼児教室ドラキッズでは、楽しい学びで、子どもの集中力を養い、無理なく自然に小学生に必要な力を身に着けることができます。椅子に座って先生のお話を聞いたり、お友だちの発表を聞いたりと、話を聞く経験を重ねていきます。また、主体的に活動に参加しながらも、講師の話をしっかりと聞き理解して学ぶ姿勢を作れるカリキュラムになっています。
家庭でできることとしては、入学前に「字がかける」「たし算・ひき算ができる」という勉強への苦手意識をなくしておくことも有効でしょう。勉強に自信があれば余裕をもって小学校生活を送れるといわれています。勉強以外のたくさんの新しいことに注意を割くことができるからです。
また、子どもにとって、おうちでママ・パパとリラックスして過ごす時間があることは大切です。ママ・パパは、子どもと一緒に過ごす時間を楽しみ、子どもの声に耳を傾ける余裕をもてるようにしましょう。
「小1プロブレム」を防ぐためには余裕を持った入学準備が必要ではないでしょうか。
「今日も楽しかった!」と学校から帰宅するお子さんの声が聞けるように、少しずつ準備していきましょう。
この記事のまとめ
親世代の私たちのころとは異なり、今の子どもたちはさまざまな今の社会の影響を受けています。
「小1プロブレム」という状況があることを把握したうえで、しっかり入学準備しておけば、心配しすぎることはありません。
ママ・パパの不安な気持ちはお子さんに伝わってしまいます。焦らず少しずつ、準備していきましょう。
すでに入学したわが子がなかなか学校生活になじめないと不安を感じていた方も、この記事を読んで気づきがあったのではないでしょうか。
ご家庭での対応だけでは不安だと感じた方は、習いごとなども検討してみてくださいね。
※小学館の幼児教室ドラキッズは、未来に役立つ5つの力を楽しく学んで楽しく身につける満1歳からの幼児教室です。
※本記事は小学館の幼児教室ドラキッズ『まなびドア』にて掲載されて記事を再構成したものです。
出典:https://dora-kids.shopro.co.jp/manabi-door/2021/10/1-2.html
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【著者プロフィール】
佐藤ねじ
1982年生まれ。プランナー/クリエイティブディレクター。面白法人カヤックを独立後、2016年ブルーパドルを設立。WEB・アプリ・商品やお店などの企画とデザインを行う。主な仕事に「ボードゲームホテル」「隠れ節目祝いby よなよなエール」「アルトタスカル」「不思議な宿」「佐久市リモート市役所」「小1起業家」「劣化するWEB」など。著書に『超ノート術』(日経BP)がある。
佐藤蕗
1982年生まれ。手づくりおもちゃ作家。建築設計事務所勤務を経て、第1子の出産を機にフリーランスに。育児をしながら作っていたおもちゃが反響を呼び、デザイナーやイラストレーターとしての活動のかたわら造形作家として、現在は雑誌や新聞、WEBなどで作品を発表している。著書に『ひらめいた! 遊びのレシピ ふきさんのアイデアおもちゃ大百科』(偕成社)など。