都市部などの住宅密集地では、「隣家との距離が近い」と感じることもあると思う。隣家との距離が近くても快適に住んでいる人もいるが、なかには距離が近すぎることで「困りごと」や「気になること」を抱える人もいる。
そこでAlbaLinkは、隣家との距離が近い戸建住宅に住む470人を対象に「隣の家が近すぎて気になることに関する意識調査」を実施し、そのデータをランキング化したので結果をお伝えしよう。
隣家との距離が近いと感じるのは平均1.79m、隣の家と近すぎて気になること1位は「お互いの生活音・騒音」
戸建て住宅に住み、隣家との距離が近いと感じている470人に「自宅と隣家との距離」を聞いたところ、平均は1.79m。ボリュームゾーンは、「50cm超1m以下」となっている。
民法では「原則として、敷地の境界線から50cm以上離して家を建てる」という決まりがある。お互いが境界線から50cm離して建てていれば、隣家との距離は1mになるわけだ。
ただし「住んでいるエリアに、50cm以下でもいいという慣習がある」「防火地域・準防火地域内で外壁が耐火構造」という場合には、50cm未満でもOKともされている。そのため1mより短い数字を答えた人もいた。
例えば「昔ながらの住宅密集地」「長屋を切り離した」などの場合、隣家との距離が短いことも多そうだ。
隣家と近すぎて気になることの圧倒的1位は、「お互いの生活音・騒音(308人)」であった。6割以上の人が音を挙げており、隣家との距離が近いと生活音・騒音の問題が発生しやすいとわかる。
また、2位「見られる・見えてしまう(123人)」、6位「窓を開けにくい(21人)」、7位「目が合って気まずい(17人)」など、視覚的な問題で悩んでいる人も多くいた。
■1位 お互いの生活音・騒音
・小さい子どものいる家庭なので、騒ぐ声が聞こえる(30代 女性)
・隣人の会話が聞こえるから、自分たちの会話も聞こえてると思って気になる(40代 男性)
・トイレを流す音や鼻をかむ音が聞こえる(50代 男性)
聞こえるのは「会話や子どもの声」「足音」「家電の音」「楽器の音や歌声」など。隣人宅からの音が聞こえて迷惑に思っている人もいれば、自分たちの音が隣人に聞こえることを気にしている人もいた。
とくに小さな子どもがいる家庭は、声や足音がうるさくないかと心配になるのではないだろうか。昼間なら「近いから仕方ない」「お互いさまだ」と思えても、夜間に大きな音が聞こえるのは困ってしまう。
■2位 見られる・見えてしまう
・窓が向かい合っているので、部屋の中が見えてしまう(20代 女性)
・見る気がなくても隣家の中が見えてしまうことと、自宅も見られてしまうこと(30代 男性)
・間に境界となる樹木があるだけなので、中庭はお互いに丸見えです(50代 女性)
向かい合う窓があったり、ベランダが近かったりすると、窓を開けたときに家の中を見られてしまうこともある。気を抜いているときだと恥ずかしいと思うこともあるだろう。
「監視されているみたい」「じろじろ見られている気がする」と感じてしまうと、家にいても気持ちが落ち着かなくなりそうだ。
■3位 日当たりや風通しが悪い
・窓の外がすぐ壁なので太陽の光が入らず、洗濯物が乾きにくい(30代 女性)
・新築時、南側には何もなかったのですが、数年後に家が建って、日当たりが悪くなりました(40代 男性)
・隣の家と接している側は1年中日が当たらないので、ジメジメしていてカビが生えやすい(60代以上 男性)
家の南側を塞がれてしまうと、日当たりが悪くなる。すぐ近くに隣家の壁があるため風通りも悪くなり、洗濯物の乾きにくさやカビの生えやすさに悩んでいる人も多いた。窓を開けてすぐ壁だと、見た目もあまりよくなくて気が滅入る人もいるだろう。
■4位 換気扇や洗濯物などの臭い
・料理やプラモデルに使う有機溶媒の刺激臭が入ってくる(30代 女性)
・居間にある窓の前が、隣家のお手洗いの窓です。そのため居間の窓を開けておくと、トイレの匂いが漂ってきます(40代 女性)
・隣家の換気扇が我が家に向いているので、台所の臭いが漂ってきてしまう(50代 男性)
「換気扇から料理の臭いが入ってくる」というコメントが多かったほか、洗濯洗剤や柔軟剤の匂い、たばこの臭いも挙げられた。
換気扇の臭いがご近所トラブルに発展することもあるため、「カバーをつける」「排気ダクトを延長する」などの方法で、隣家に臭いが届きにくいよう配慮されている住宅もある。
■5位 植木・雑草が邪魔
・自宅の庭に木があり、葉が隣家に落ちてしまうことがあるので、申し訳ないと思っています(20代 女性)
・隣家敷地内の雑草がよく育っており、自宅の敷地に種が飛んでこないかが気になる(40代 男性)
・隣りの庭の植木が伸びてくること(60代以上 女性)
「隣人が植えている木の落ち葉が、風に飛ばされ自宅の敷地に入ってくる」「伸びた枝が侵入してくる」といった悩みが多く寄せられていた。伸びた枝が越境してくると、害虫の発生や、台風・暴風時に窓ガラスが割れるといった危険がある。
自宅の庭に木を植えている人は、隣家を傷つけないよう、こまめにメンテナンスしておきたい。