国内オーディオメーカーのfinalは、同社が展開するオーディオブランドDITAの新製品として、WハイブリッドIEMイヤホン「Project M」を12月14日より発売する。公式ストア価格は4万9800円(税込)。
伝統と挑戦を併せ持ったWハイブリッドIEMイヤホン
Project Mは、DITA初の樹脂製IEM型イヤホンであると同時に、その内部には金属筐体を内包するハイブリッド構造になっている。
このため、耳あたりが良く優れた装着感を実現するIEM型の樹脂製筐体と、音響空間を強固に守るステンレス製の音響チャンバーにより、同社では「完璧な音質と快適な装着性を実現しました」と説明している。
さらに、ドライバーは伝統を打ち破る新しい挑戦として、ダイナミック型ドライバーとバランスドアーマチュア型ドライバーを組み合わせたハイブリッド構成を採用している。
■新開発9.8mmダイナミックドライバー「PM ONE+」を搭載
DITAはこれまで一貫して、シングルダイナミックドライバー構成によって音質を追求してきた。
小さな空間内に二つのドライバーユニットを配置することで、互いに干渉し、音質に悪影響を及ぼす可能性があると考えたからだ。
しかし、今回の Project Mでは、ハイブリッド構成でも完璧な音質を提供できるように、ダイナミック型ドライバー「PM ONE+」を新開発。
この新しいドライバーは従来のものとは異なる設計コンセプトを持ち、単独で全ての音域をカバーするだけでなく、ハイブリッド構成でも音質を更に高めることができるように設計されているという。
スーパークリア樹脂で透明かつ剛性の高い筐体
通常のアクリル樹脂を使用して製造されるイヤホンは、外殻のみの中空構造を採用している。
しかし、Project Mでは筐体の剛性と美観を追求して、音響チャンバーの外側を全て樹脂で埋めるという高度な工法を採用。
樹脂を型に流し込む際に気泡の発生を避けることは非常に困難だが、慎重な樹脂の選定と技術開発により、高い透明度を実現した。さらに耐久性を高めるため、筐体にはUV防止コーティングが施されている。
■CARDAS社製線材「MOCCA」を内部配線とケーブルに採用
DITAのフラッグシップモデル「Perpetua」で初めてイヤホンの内部配線にHiFi専用のケーブルを採用して以来、多くのユーザーに高い評価を獲得。
Project MにおいてもHiFiグレードのケーブルを採用することで、音色をより引き立てる挑戦を行なっている。
Project Mの内部配線及び付属のイヤホンケーブル「MOCCA」は、アメリカのHiFiブランド「Cardas Audio」が提供する線材が使用された。
■AWESOME PLUG2を搭載
プラグ部分には交換可能な「Awesome Plug2」を採用。3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスの2種類のプラグが使用可能だ。プラグは、MOCCAの外観に合わせて新たに設計された。
■重ねて収納可能なドイツTANOS社製SYSTAINERケース
ドイツの有名なツールメーカーTanos(タノス)社が設計したSystainer(システナー)は、軽量で堅牢なだけでなく、重ねて連結できる世界で初めて開発されたシステムボックスだ。今回はイヤホン用にミニサイズをイヤホンケースとして同梱している。
■特別仕様FINAL TYPE E イヤピース採用
音導管部分と耳に触れる部分で硬度が異なる2種類のシリコン素材を使用している。
音導管部分には耳に触れる部分より硬度が高いシリコンを採用、溝加工によって強度と柔軟性を両立した。
耳に触れる部分には柔らかいシリコンを使用し、快適な装着感と高い遮音性を実現。さらに、傘はクリア、軸の部分は暗闇で光る蓄光タイプを採用した特別仕様となっている。
Project Mの主な仕様
ドライバー/9.8mmダイナミックドライバー「 PM ONE+」&Knowles社高域BAドライバー
周波数特性/20Hz – 20KHz
インピーダンス/32Ω @ 1kHz
感度/107db/mW @ 1kHz
ケーブル(長)/1.2m
線材 /Cardas Audio社製「MOCCA」
イヤホン側端子/2Pin
プレーヤー側端子/ 交換可能「Awesome Plug2」(3.5mm / 3極 4.4mm / 5極)
付属品/交換用Awesome Plug2(4.4mm / 5極)、Tanos社製Systainerイヤホンケース、final製イヤピース TYPE E(SS / S / M / L / LL)
関連情報
https://ditaaudio-japan.com/products/project-m
構成/清水眞希