エミライは同社が展開するFIIO Electronicsの新製品として、デジタルオーディオプレーヤー「M11 Plus ESS Stainless Steel」を2023年12月15日より発売を開始する。
M11Plus ESS Stainless Steelは、左右独立DACチップの採用やTHX AAA-78ヘッドホンアンプ回路の採用など、高い評価を獲得した「M11 Plus ESS」の筐体素材をアルミニウムからステンレススチールに変更した台数限定生産品だ。
なお本体重量以外の製品仕様はM11Plus ESSと同一となっている。希望小売価格はオープン価格。予想実勢価格は約14万3000円。
ESS Technology製2ch DACチップ「ES9068AS」を2基、左右独立構成で搭載
M11 Plus ESSは、「AK4497EQ」を搭載した限定生産モデルM11 Plus LTDのDACチップをESS Technology製オーディオ用ハイスペックDACチップ「ES9068AS」へ置き換え、さらなるスペックアップを実現した。
M11 Plus LTDで採用された優れた増幅回路THX AAAアンプテクノロジーを踏襲しつつ、DACチップの変更に伴ってD/Aセクションをさらにブラッシュアップ。
チップの特性に合わせ、ローパスフィルターに使用されるオペアンプを「OPA1662」から「OPA927」へと変更。また、これまでボリューム調整用のICで行っていた音量調整機能をDACチップに受け持たせることで、ボリュームIC回路を廃止しさらなる特性の向上を実現した。
これにより、2.5mmバランス出力時のS/N比が120.5dBから126dBへと最大5.5dB向上、歪み率を表すTHD+Nは0.00146%未満から0.00085%以下(1kHz/32Ω時)へと向上。
さらに、2.5mmバランス出力時の最大出力を588mWから660mW(32Ω /THD+N<1%)へ強化しながらも、低消費電力DACチップの恩恵により連続再生時間が最大10時間から最大14時間へと伸長された。
■USB DACやUSBトランスポートとして幅広いサンプリングレートに対応
M11 Plus ESSはDAPとして内部データの再生時に最大384kHz/32bitのPCMデータのデコードをサポートするほか、11.2MHz(DSD256)までの DSDデータのデコードをサポート。
対応フォーマットとして、APE / WAV / FLAC / AIF / DSD / M4A / WMA / OGG / AAC / ALAC / MP3のほか、CUEシートもサポートする。
また、本機をUSB DACとして外部からデータを入力した場合は最大384kHz/32bitのPCMデータおよび11.2MHz(DSD256)までの DSDデータの再生に対応。
内部に格納されたデータをUSB DACへ送り出すUSBトランスポートとして機能させた場合、 最大768kHz/32bit,DSD22.4MHz(DSD512)の音楽データの出力が可能だ。
■THXの特許技術 THX AAA アンプテクノロジーを採用した第二世代ヘッドホンアンプ回路
THX AAA Frontier シリーズのTHX AAA-78アンプは、THX社の特許技術であるフィードフォワード補正技術とニュートラルな音質を追求した設計手法を特徴としている。
音の消えぎわの表現やサウンドステージ上に忠実に復元されたディテールを追体験することができ、まるでレコーディングスタジオにいるかのようなサウンドをもたらす。
THX AAA回路は、一般的なヘッドホンアンプ回路と比較して、仮に同じ電源部を用いた場合でも、高い出力を高効率で実現できるほか、より低いノイズレベル、低歪みと相まって、より正確かつ自然な音質を提供。
M11 Plus ESSのヘッドホンアンプ部はAAA-78回路をベースとして第二世代に進化し、低域のスケールの豊かさとシャープなフォーカスを実現する駆動力の強化と、IEMでもノイズが目立たない更なる低ノイズ化を進めた。
■Qualcomm製8コアSoC「Snapdragon 660」によるスムーズな動作
M11 Plus ESSには、スマートフォンのようにスムーズな動作を提供する大小4つずつで構成されたコア・アーキテクチャを採用した、Qualcomm製SoC「Snapdragon 660」が搭載されている。
このチップは、動画再生やゲームなどの重いタスクを処理することが可能な能力を備えながらも、音楽再生時は超低消費電力で動作することで、長時間に及ぶ連続再生時間を実現している。