Googleから試験運用中の会話型生成AIサービス「Bard」に関して、 2023年における活用方法トップ10が発表された。同社では発表に際して「Bard を使ったことがない人や日常的には利用していない方が、どのように会話型生成AIサービスを使えるかを知ってもらうヒントになれば幸いです」とコメントしている。
なお、ランキングでは各活用方法における詳細や、最新機能も含めたTipsに加えて英語版との比較も併せて紹介されている。
情報収集に関する活用法が上位に
日本語のランキングにおいては、調べ物や相談など情報を幅広く調べる“情報収集”に関する活用方法が多くランクインした。
“情報収集”の中でも、1 位には 「水の沸点は、気圧によって変わりますか?」や「sin 90° = ?」など、単一・複数の明確な答えを探す「事実に関する調べもの」に関する使い方がランクイン。
2位には、「セキュリティ対策を強化したいのですが、どのような対策をすればよいでしょうか?」や「数学が苦手で、点数が伸びません。数学の勉強方法について、アドバイスをお願いします。」など、歴史、文学、経済や最新のテクノロジーの説明などの専門的な領域でどうしたらいいのかなどの相談を含めた「専門的なトピックの相談」のような使い方がランクインした。
そして、9位には「七転び八起きの他の言い方教えて」や「インターネット上でコンピューターやサーバーなどのITリソースを提供するサービスをなんと呼ぶ」など、特定の意味を持つ単語や説明に基づいて固有の名称を調べる辞書の逆引き検索のような「言葉を調べる」使い方がランクインしている。
一般的に、Bardを調べ物や相談など情報を幅広く調べる“情報収集”に利用する際には、自分が質問している背景や目的、状況などを説明文に加えると、 Bardも質問に沿った回答をしてくれる。
例えば、「冬休みで習得できることを教えて」という質問を、「小学校4年の子供に冬休みの理科の研究で最適な10テーマ」と自分の状況や背景を詳しく伝えると、より精度の高い回答を得られるという。
また、一般の情報検索と異なり、Bardは、前回の会話の文脈を理解しているので、例えば先程の会話の続きとして、「その中から2 週間でレポート作成するまでに最適のテーマとスケジュールは?」など、続けて会話をすることで、検索テーマについて“深掘り”していくこともできる。
プログラミングなどの専門的な使い方や文章作成のサポートにも
3位には「プログラミング」、4位には「翻訳」と専門的な使い方も上位にランクインした。プログラミング分野では、「音声ファイルをMP3 形式に変換するためのPythonのコードを作成して」や「以下のHTMLコードのバグを修正して」などのコード作成から作成したコードの説明とそれに対する修正案の提案、「Googleスプレッドシートで、ある範囲で値が『参加希望』を数える関数教えて」などの関数まで、コードの作成・理解・修正全般における幅広い活用方法が見られた。
翻訳においては、「ontologicalを日本語にして」などの特定の単語の翻訳だけでなく、「次の日本語の文章をビジネス英語にして」や「『帯に短したすきに長し』を中国語と韓国語で 3 つずつ例をだして翻訳して」など、状況や言語ごとでの使い分けでも活用されていた。
ビジネスから日常シーンにまで役立つ文章作成サポート
5位の「文章の編集」や 10位の「文章を完成させる」など、文章作成時のアイデアやサポートも多く見られた使い方となった。
文章修正では、「以下の文章の流れや構成を修正/分かりやすくしてほしい」や「表現を自然にして」などの全体的な流れや言い回しの修正に使われていました。また、「以下を仕事の取引先に送る丁寧なビジネスメールにして。『今年もありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。1月8日から出社します。』」などビジネスシーンなどの状況に併せた文章作成などでも活用されている。
日本語だけでなく、「下記の英語の文法を確認して」や「この英語の文章をビジネス英語/プレゼンテーション用にして」など、多言語での修正でも活用されていた。
「文章を完成させる」では、「以下の文章の続きを補完してほしい」や「以下の文章をより充実したものにしてほしい」など、途中から言葉が浮かばない時や内容が不十分な際にBardが文章作成をサポート。
例えば、「お世話になった先生に年賀状を書いてます。続きを考えてください。- 昨年もお世話になりました。同窓会で久しぶりにお会いできて、嬉しかったです。今年は…」などと質問すると、 Bardが文章の続きを回答してくれる。