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JR東日本が新幹線早期地震検知システムを改良、緊急停止までの時間が平均2.6秒短縮

2023.12.10

JR東日本は、沿線や海岸・内陸部に設置された地震計で地震を早期に検知して新幹線を緊急停止する「新幹線早期地震検知システム」を改良し、より早く緊急停止させることを可能にしたと発表した。

鉄道総合技術研究所の研究成果にもとづき、地震検知後に地震規模を推定するプロセスを改良

新幹線早期地震検知システムは、各地震計で観測された地震動に基づき、地震計から変電所へ送電を停止させ、新幹線を緊急停止するもの(図-1)。本システムでは、観測される初期微動(以下、P波)と主要動(以下、S波)のそれぞれを用いることにより、緊急停止の早期化と多重化を図っている。また、新幹線開業以来、地震計の増設や気象庁の緊急地震速報および防災科学技術研究所の海底地震計といった社外地震情報の活用など、さまざまな改良を重ねてきた(図-2,参考)。

S波検知では、S波の振幅から列車を緊急停止させる仕組みとしているが、S波よりも早く伝播するP波による検知方法は、観測したP波から地震諸元(震央距離、震央方位、地震規模)を推定し、推定したマグニチュードに応じた緊急停止範囲の新幹線をS波到達前に緊急停止させる仕組みとしている(図-3)。

マグニチュードの推定には、鉄道総合技術研究所の研究成果に基づく推定式を用いている。また、この推定式は、過去の地震で得られたP波の振幅、震央距離などとその際のマグニチュードから、統計的に求めている。

マグニチュードはP波の振幅の大きさに比例することが知られているが、P波全体でもその振幅は時々刻々と変化するために、1秒ごとにマグニチュードを推定している。P波の振幅は時間とともに大きくなるのが一般的であるが、これまで推定式の係数は時間に関係なく一定としていた。今回、推定式の係数を1秒ごとの時間とともに変化させることにより、P波検知1秒後から4秒後の推定精度が今までよりも改善し、実際のマグニチュードにより近い値を、より早く推定することが可能となった(図-4)。

2022年3月16日に発生した福島県沖地震を受け今後の地震対策を検討するなかで、過去3年間のP波検知により緊急停止した13地震において検証した結果、P波検知から送電停止までに要する時間が現行式の平均3.9秒から改良式では1.3秒と、平均2.6秒短縮できることがわかった(図-5)。一例として、2022年3月16日に発生した福島県沖地震では、3.1秒の時間短縮となる結果を得た。

以上の結果により、JR東日本では、全ての新幹線地震計(計135台)を改修し、新システムを導入。なお、新システムは2024年3月から使用開始する予定とのことだ。

関連情報
https://www.jreast.co.jp/

構成/立原尚子

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