『リクルート自動車総研』所長 兼『カーセンサー』統括編集長 西村 泰宏氏の解説
今回の調査では、中古車市場規模が前年より拡大し、調査開始以来2番目の規模となりました。単価が前年より15万円以上上がっていることが大きな要因です。
中古車市場規模は、国勢調査の年代別人口に中古車購入率を掛け合わせた数字を出し、そこに単価を掛けて推計しています。
そのため、国勢調査の実施タイミングに合わせて、昨年の調査からは約6%人口減となった数字で計算しており、仮に2021年調査と同じ人口で推計するならば市場規模は過去最高となり、中古車市場は活況と言えるでしょう。
今まで新車のみを選択肢としていた方が中古車を購入する、燃費などの経済性だけでなくスタイリングなどを重視してクルマ選びをするなど、消費者意識の変化が影響しています。
購入単価を分解してみると、支払総額「300~350万円未満」を選択した人が3.9%から6.2%に大きく伸びており、単価増に大きく貢献しています。中でも、20代は8.0%のシェアを保持しており、この価格帯をリードしています。
支払総額の平均は、1位の30代が193.2万円(全体平均+21.1万円)、2位の40代が174.8万円(平均+2.7万円)、3位の20代が173.1万円(平均+1.0万円))と続きます。
若い年代が多く支払っている構造は過去数年続いており、今後さらに市場を活性化させていくためにも、注目する必要があるでしょう。
単価増を支えている要因の一つは、SUVの躍進と高年式車の人気にあります。いずれもマーケット内では相対的に価格が高い商材です。これらは引き続き注目されることが予想されますので、購入単価は今後もう少し上がっていくことが予測されます。
また、ガソリン値上げがニュースになっていますが、EVやプラグインハイブリッドに大きな伸びは見られませんでした。ハイブリットは引き続き増加しており20.6%と調査開始以来初の20%超えとなりました。
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構成/Ara