近年はタバコの価格上昇や公共の喫煙スペースの減少などから、以前にもまして喫煙者の肩身が狭くなってきている。
また、コロナ禍を経験したことによる健康志向の高まりや、各自治体による路上喫煙防止条例の制定なども進み、世間全体で禁煙への意識が高まっている。
ただ、長い間喫煙してきた人が禁煙を試みると離脱症状がひどく出て、思うように禁煙できないケースも多いよう。
そこでフィットクリニックでは、禁煙に失敗した人・成功した人・医療機関での禁煙に成功した人を対象に、禁煙の失敗・成功の理由に関するアンケートを実施した。
「禁煙に失敗した人」に対するアンケート
Q1:禁煙に失敗した理由は何ですか?(複数回答可)
禁煙に失敗した理由を聞いたところ、「周りの喫煙者の影響(55.5%)」が最も多く、次いで「離脱症状に耐えられなかった(44.0%)」「本気ではなかった(20.5%)」「代わりになるものが無かった(18.0%)」が続いた。
喫煙者が近くにいると、ふと吸いたくなる人が多いよう。そのため禁煙に成功するには、喫煙者と距離を取ったり、飲み会を欠席するなどの物理的な対処が必要となりそうだ。
Q2:禁煙にチャレンジした回数を教えて下さい
禁煙にチャレンジした回数を聞いたところ、「3回(44.5%)」が最も多い結果に。次に多いのは「2回(30.5%)」。
中には「5回以上(13.5%)」の人もいて、全体で見ると9割程度の人が2回以上失敗していることがわかる。禁煙がいかに難しいことか、数字で表れた形となった。
Q3:禁煙を成功させるためには何が必要だと思いますか?(複数回答可)
禁煙を成功させるために何が必要だと思うか聞いたところ、「自制心(67.0%)」が最も多く、続いて「薬やパッチ、ガムなどのサポート品(41.5%)」、「周りの協力(20.0%)」という結果に。
周りの喫煙者の影響を受けず、離脱症状にも負けない強い自制心を持つことは大前提として、禁煙補助のアイテムや周りのサポートを得ることでさらに禁煙成功に繋がると考える人が一定数いた。
Q4:タバコの離脱症状を抑えたり、吸いたい気持ちを和らげたりする治療薬があったら使いたいですか?
タバコの離脱症状を抑えたり、吸いたい気持ちを和らげたりする治療薬があったら使いたいか聞いたところ、200名全員が「使いたい」と回答。離脱症状がいかに禁煙の弊害となっているかがうかがえる。
ただ、実際にそのような禁煙治療薬はあるが、それを知らないまま禁煙に挑む人が多いよう。禁煙治療薬は自制心に自信がない人や、離脱症状に耐えられなかった人こそ検討すべき選択肢となる。
上記の結果から、禁煙の成功には「周りの喫煙者から影響を受けない・離脱症状に負けない強い自制心」が重要であることがわかった。
周りの喫煙者に対しては、禁煙していることを伝えて物理的な距離を取るなど状況に合わせた対処が必要となりそうだ。
また、離脱症状に対して、症状を抑える禁煙治療薬は実際に存在する。そのため、なかなか禁煙に成功できない人は、まずは専門の医療機関に相談すると良いだろう。