日々変動する中古マンションの価格。東京・神奈川・埼玉・千葉からなる首都圏では現在、その相場はいくらなのだろうか?
不動産情報サービスのアットホームはこのほど、2023年10月の首都圏における「中古マンション」の価格動向を発表した。
本調査は、アットホームの不動産情報ネットワークで消費者向けに登録・公開された中古マンションの価格動向について、アットホームラボに調査・分析を委託したものだ。
首都圏8エリアの平均価格(前年同月比・指数の推移)
首都圏の1戸あたり平均価格の前月比は+0.3%と6カ月ぶりに上昇した。東京23区が前月比+1.3%と大きく上昇し首都圏の上昇をけん引したものの、さいたま市が3カ月連続で下落したほか、千葉県西部が6カ月連続、埼玉県他が9カ月連続で下落または横ばいとなるなど、エリアによって価格動向に違いが見られた。
なお、東京23区は2017年1月以降最高額を3カ月連続で更新し、平均価格は初の5,000万円台となった。
■東京都(23区/都下)
23区の1戸あたり平均価格は5,043万円で前月比+1.3%と5カ月連続で上昇。2017年1月以降最高額を3カ月連続で更新し、初の5,000万円台となった。また、前年同月比は+2.7%と上昇したが、これは築30年以内の全ての面積帯で平均価格が前年同月を上回ったことが一因となっている。
都下の1戸あたり平均価格は3,182万円で前月比-0.5%と下落した。一方、前年同月比は+2.2%と上昇し、28カ月連続の前年同月超えとなっている。
■神奈川県(横浜市・川崎市/他)
横浜市・川崎市の1戸あたり平均価格は3,399万円で前月比-0.3%と下落した。一方、前年同月比は+2.6%と上昇したが、これは物件数割合5%以上および10%以上の面積・築年帯で平均価格が前年同月を上回ったことが一因となっている。
神奈川県他の1戸あたり平均価格は2,623万円で前月比+0.3%と上昇した。また、前年同月比は+3.5%と上昇し、34カ月連続の前年同月超えとなっている。
■埼玉県(さいたま市/他)
さいたま市の1戸あたり平均価格は3,459万円で前月比-1.1%と3カ月連続で下落した。一方、前年同月比は+0.6%と上昇したが、これは築10~20年の大型ファミリー向きを除き、物件数割合10%以上および15%以上の面積・築年帯で平均価格が前年同月を上回ったことが一因となっている。
埼玉県他の1戸あたり平均価格は2,529万円で前月比-0.4%と4カ月連続で下落した。2023年2月以降、前月比上昇がない状況が継続している。また、前年同月比は-2.3%と下落し2カ月連続の前年同月割れとなった。
■千葉県(西部/他)
西部の1戸あたり平均価格は2,931万円で前月比-0.4%と4カ月連続で下落した。なお、前年同月比は+2.7%と上昇しているものの、2桁台が続いていた上昇幅は2023年7月以降1桁台となっており、物件数割合が高いファミリー向き・大型ファミリー向きにおいて、平均価格が前年同月を下回る築年帯が目立ち始めている。
千葉県他の1戸あたり平均価格は2,050万円で前月比-0.8%と6カ月ぶりに下落した。一方、前年同月比は+4.0%と上昇し、61カ月連続の前年同月超えとなっている。
<調査概要>
不動産情報サービスのアットホーム株式会社(本社:東京都大田区代表取締役社長:鶴森康史)の不動産情報ネットワークで消費者向けに登録・公開された中古マンションの価格動向について、アットホームラボ株式会社(東京都千代田区代表取締役社長:大武義隆)に調査・分析を委託し、アットホームが公表するもの。
◆対象エリア
東京都(23区/都下)、神奈川県(横浜市・川崎市/他)、埼玉県(さいたま市/他)、千葉県(西部※/他)
※千葉県西部:柏市、松戸市、流山市、我孫子市、市川市、浦安市、習志野市、船橋市
◆対象データ
不動産情報サイトアットホームで消費者向けに登録・公開された中古マンション(重複物件はユニーク化)
◆定義
・本調査では、上記対象データの「1戸あたり登録価格(売り希望価格)」を「価格」と表記している。
・コメントでは、30m²以下を「シングル向き」、30m²~50m²以下を「カップル向き」、50m²~70m²以下を「ファミリー向き」、70m²超を「大型ファミリー向き」としている。
出典元:アットホーム調べ
構成/こじへい