“転売ヤー”という言葉を一度は耳にしたことがあるかと思う。商品を転売し、儲けようとする人のことを表す言葉だ。
購入したものを仕入れ値より高く売ることで利益を得る転売だが、驚くほど高額で転売されているものもある。
そこで社迅が運営するdokodekau [ドコデカウ]」は全国の年齢性別問わず251名に「高額転売の買う側の体験談」について調査を実施したので、その結果をお伝えしよう。
購入した商品は?いくら?高額転売の買う側の体験談
まず「今までに欲しい商品が高額で転売されているのを見たことがありますか?」と質問したところ、「はい、見たことがある」と回答した人は全体の86.9%、「いいえ、見たことがない」と回答した人は全体の13.1%であった。
ほとんどの人が、欲しい商品が高額転売されているところを見たことがあるようだ。
やはり自分が欲しい商品がどこかで売られていないか、販売サイトで検索してみるという人は多いだろし、転売する側も多くの人の目につく場所で堂々と行っている場合もある。販売されている事実やその値段を見たときの気持ちはとても複雑だ。
続いて、「あなたは高額転売された商品を購入したことがありますか?」と尋ねたところ、「いいえ、購入したことはない」と回答した人は全体の76.9%、「はい、購入したことがある」と答えた人は全体の23.1%であった。
実際の値段より高値で販売されているので、欲しいものとはいえ、購入するには多少躊躇する人も多いだろう。
また、なかなか購入しづらいものを転売のために購入・販売する人もいることから、購入するとその行いに加担しているような気持になってしまう。購入したことがあると回答した人が、どのような心境で何を購入したのかが気になるところ。
そこで実際に購入した商品について尋ねたところ、最も多かったのが「その他」と回答した人で全体の32%、次いでライブのチケットが多く全体の26%を占めた。
その他について、良く転売されているものとして、数個限定で販売されるプレミアのスニーカーやブランド品があり、家電やコスメなども転売されることがあるようだ。また、コロナが流行り始めた時期にはマスクが高額転売されたのも記憶に新しい。
ライブのチケットが転売されているのは、多くの人が知っているのではないだろうか。なかなか取れない人気グループのライブチケットを入手し、驚くような高額な値段で転売されていることがある。
次に、「福山雅治さんのチケット転売者「永久退会」が話題ですが、あなた自身はチケット転売をどう思いますか?」と質問した。
結果、最も多かったのが「チケット転売は良くないので”永久退会”は良い方法だと思う」と回答した人が全体の71.7%、次いで多かったのが「チケット転売は良くないが、他の方法が良いと思う」と回答した人が20.7%という結果に。
やはりチケット転売は良く思われていないどころか、ファンクラブを永久に退会させられるような処罰がふさわしいと感じる人が多いのが現状だ。
特に、チケットを取れなかったけれど、転売に手を出すわけにはいかないと我慢した人にとっては当然の処罰と感じかもしれない。
一方で、永久退会ではなく、他の方法が良いと思う人もいるよう。応援したい気持ちが裏目に出てしまい、永久退会させられてしまうのも悲しいことだ。
「あなたは高額転売をどう思いますか?」と質問したところ、最も多かったのが「本当に必要な人が手に入れられなくなるので良くない」と回答した人が全体の52.6%、次いで多かったのが「程々なら仕方ないと思う」と回答した人が19.9%であった。
高額転売で利益を得るために、あの手この手を使いレア商品を入手する人がいるということなので、本当に欲しい人の気持ちとしてはとても残念だろう。
その人が買わなければ自分が買えたかもしれないと思うと、なんとも言えない気持ちになってしまう。また、商品が高額転売されてしまうのは、購入する人がいるから成り立っているもの。
一方、理由や規模にもよるが、レア商品などはある程度転売されてしまうのは仕方ないと思う人は一定数いるようだ。
「あなた自身が高額で転売(転売ヤー)した経験はありますか?」と尋ねたところ、「いいえ、高額転売したことはない」と回答した人が全体の92.8%、「はい、高額で転売したことある」と回答した人が全体の7.2%で、圧倒的にしたことがない人が多かった。
高額転売をする理由は様々あるとは思うが、極一部の人が行っている行為ということが分かる。また、転売がなくならない理由のひとつとして、買う人がいるという点が挙げられる。
高くても買う人がいる限り、厳しく取り締まれない以上、今後も一部の人々の転売がなくなることはないのかもしれない。
では、高額転売をしたときどのような心情だったのだろうか。「高額転売した経験者へ調査!高額転売した際に、罪悪感はありましたか?」と質問したところ、「いいえ、罪悪感はなかった」と回答した人が全体の87.5%、「罪悪感はあった」と回答した人が全体の12.5%となった。
罪悪感がない人が高額転売をしようと考えるので、当然の結果かもしれない。プレミアチケットや商品をいろんな手段を使って入手するので、手間や時間はかかる。
それを高額で売ることは悪くないと考える人も一定数いるだろう。だが、少数ではあるが、罪悪感を抱きつつ高額転売に踏み切る人もいるようだ。
もしかすると、生活のために仕方なくやってしまったという人もいるかもしれないし、転売商品が売れた後に申し訳なかったと罪悪感が湧いてくる人もいるかもしれない。
最後に転売について、具体的な体験談を紹介しよう。
・プロ野球日本シリーズのチケットが高額転売されており、非常に腹立たしくなった。(30代男性)
・コロナが流行しはじめて、受付の仕事をしていたのでマスクをしなくていけないのにどこにも売っておらず、高額ではあったがメルカリで購入した経験がある。(40代女性)
・過去に友達がSNSで転売されたライブチケットを購入したことがあるが、その後音信不通となり転売ヤーに騙されていたことがあった。(20代女性)
・好きなアーティストのライブチケットが高額で転売されていて手に入れることが出来なかった。(20代男性)
・飲みたいお酒が高額転売され、まったく入手できず困っている。世界的に人気のある商品は仕方ない面もあるが、転売目的で購入するのは気分が悪い。(40代男性)
・転売するためだけに一番くじを全てやられてしまい残念だった。(30代女性)
・テーマパーク内で販売されている欲しいグッズが転売ヤーに買い占められ、パーク内で購入出来なかったことがある。季節商品は終売になってしまう可能性もあるため、数回だけ転売ヤーから購入した。(30代女性)
・ギターの弦の偽物を高額で転売された。(20代男性)
・PS5が欲しかったが転売価格が高く買わなかったら興味がなくなった。(30代男性)
・高額転売は良くないが、ずっと探していた物を買うことができたので嬉しかった。(30代女性)
マスクなど、その状況でどうしても必要なものを入手するために高額転売品を買うという人はいそうだ。
また、多くの人が悪い印象を持つ中で、ずっと探していた商品を入手することができてうれしいという体験談もある。いくらでもお金を出すから売って欲しいという人にとってはありがたい話ではあるだろう。
一方で、偽物を高額で買ってしまったという人もいた。商品が必ずしも本物という保証はなく、偽物を打って利益を得ている人もいるため注意が必要だ。
調査概要
調査対象:20代から60代の男女
調査日:2023年8月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
調査人数:251人(男性99人女性152人)
構成/Ara