小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

天国と地獄を味わった26年間!小野伸二の壮絶な生き様を振り返る

2023.12.09

偉業を達成した黄金世代のシンボル&リーダー

 気配りと目配りがつねにできる若武者は、79年生まれの「黄金世代」と呼ばれるタレント軍団の中でもつねにリーダーだった。同期には高原直泰(沖縄SV代表・監督・選手)、稲本潤一(南葛SV)、本山雅志(鹿島アカデミースカウト)、小笠原満男(鹿島アカデミーアドバイザー)、遠藤保仁(磐田)ら突出した個の力を持つ選手が揃い、99年ワールドユース(現U-20W杯=ナイジェリア)で準優勝するのだが、小野というシンボルがいたからこそ、彼らは1つにまとまれた。

 フィリップ・トルシエ(現ベトナム代表)というエキセントリックな指揮官の下で、今の時代だったらコンプライアンス違反と言われるような指導を受けたが、彼らは小野を中心に強固な結束を前面に押し出し、世界2位という称号を手に入れたのである。

「大げさな言い方になるけど、伸二は日本サッカーを変えた存在」と盟友・稲本も語気を強めていた。その言葉通り、小野は数々の偉業を達成している。冒頭に挙げたように、18歳でのW杯出場・3度のW杯参戦、UEFAカップ制覇・3カ国への海外挑戦はもちろん、FIFA(国際サッカー連盟)主催のW杯、五輪、U-20・U-17W杯出場を総なめにし、UEFEのビッグトーナメントであるチャンピオンズリーグ、スーパーカップ、ELという当時あったクラブレベルの全大会に出ているのだ。

 彼と同等の実績を残せる可能性があるのは、「史上最強」と評される現日本代表の中で久保建英(レアル・ソシエダ)ただ1人。その久保も年代別代表ではファイナリストになれていないし、UEFAスーパーカップに出るのはハードルが高そうだ。つまり、小野伸二は「前人未到の領域」に辿り着いたと言っても過言ではないのだ。

11月19日の本山雅志の引退試合に集まった黄金世代の面々(筆者撮影)

相次ぐケガで輝かしいキャリアに生じた狂い

 その反面、彼は数々の挫折も味わっている。最たるものがケガ。一番大きかったのが、99年7月の2000年シドニー五輪アジア1次予選・フィリピン戦で負った左膝じん帯断裂だ。ケガからは復帰したものの、「プレーのイメージが湧かない」「今までみたいなひらめきが頭の中に出てこない」と苦悩し、調子が上がらず苦しんだ。

 3日の現役ラストマッチ後の会見でも「自分のピークは高校時代」と苦笑していたが、ケガの前後で自分のプレーが180度変わってしまったと本人は感じているのだろう。にもかかわらず、その後のオランダで大活躍をしたのだから、「あのケガがなかったら彼はいったいどこまで上り詰めたのか」と感じる人は少なくないはずだ。

 ただ、ケガの連鎖は続き、主軸と期待されたジーコジャパン時代も離脱を繰り返し、2006年ドイツW杯ではスタメン入りできなかった。フェイエノールトでも2~3年目は負傷続きで、イングランド・プレミアリーグなどトップクラブへの移籍は叶わなかった。それは本当に残念というしかなかった。

2006年ドイツW杯ではまさかの控えに終わった小野伸二(中列左から2人目=筆者撮影)

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。