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テレビ、ロボット掃除機も投入!衝撃価格で業界を激震させるXiaomiは日本の家電市場を変えるか?

2023.12.17

最新モデルはデジタルも家電も革新性が際立つ

 中国の大手スマホメーカーであるXiaomi(シャオミ)。9月27日には、日本で4年ぶりとなる「Xiaomi 事業戦略・新製品 発表会」を開催。そこで紹介されたのは、スマートフォンやタブレット、ウエアラブル機器など〝スマートな暮らし〟を実現する7つの新製品だ。当日は日本法人、Xiaomi Japan初の日本人社長となる大沼彰氏も登壇し、その意気込みを語った。

 中でも注目は新型スマホとなる『Xiaomi 13T』シリーズとプレミアムエントリーモデル『Redmi 12 5G』。前者は価格未定だが、後者は約6.8インチのフルHD+ディスプレイを搭載し、メインカメラは約5000万画素という仕様で、価格は2万9800円。これには、テクニカル家電ライターの藤山哲人さんも驚きを隠さない。

「最近、スマホが軒並み値上げされたこともあり、ことさらXiaomiの安さが際立ちました。Xiaomiのスマホはもともと高性能・高コスパが特徴ですが、本気で日本市場に販売を仕掛ける宣言のように感じましたね」

 2010年4月に設立されたXiaomiが、短期間で一気にスマホ市場世界シェア3位に駆け上がった背景には、創業者でCEOを務める雷軍(レイジュン)氏の存在が大きいと藤山さんは言う。

「雷軍氏は『中国のスティーブ・ジョブズ』といわれ、とにかくカリスマ性のある人物です。本人もジョブズをリスペクトしていたようで、販売方法も〝1年に1モデル〟など、アップルのやり方を踏襲していました。また、広告は一切打たず、ユーザーの声をスマホの商品開発にフィードバックしたり、年に1度ファンイベントやオフ会を開いたりする独自の哲学で、熱狂的な雷軍ファン、Xiaomiファンを獲得し、創業3年で急成長を遂げました」

 そんな同社が日本市場に参入したのは2019年。続く20年9月には初の5G対応モデルをauブランドで、翌年には「おサイフケータイ」対応モデルをSoftBankブランドで展開するなどキャリアモデルにも進出。また、IoT製品として、世界No.1シェアを誇るスマートバンドやスマートウオッチ、完全ワイヤレスイヤホンといったウエアラブル製品をリリース。家電分野にも進出し、総合家電メーカーの基礎を固めていった。

 新作でもデジタル系は盤石。スマートバンドはすでに評価が確立されていることから、アクティビティーを記録するトレーニングウオッチとして、日本でも一層需要が伸長すると、藤山さんは読む。

「一方の家電は、中国以外に、東南アジア圏やインドなどでも人気があります。ただ日本市場に打って出るとなると、生活家電は国内勢が強いため、長期的戦略が必要になると考えます」

いよいよ家電分野でも本気モデルを日本へ投入

 今回の発表会ではスマート家電として、4Kテレビや水拭きもできるハイブリッドロボット掃除機も紹介された。特に中国で4年連続№1シェアを持つスマートテレビには力を入れ、Google TV内蔵のスマートテレビ『Xiaomi TV A Pro』を全国のauの『Xiaomi TV』取扱店、au Online Shopで販売。

「スマホの時と同じマーケティング手法から、まずは携帯キャリア専売になっていると思います」

 戦略としては、Xiaomiがテレビを作っていることを日本で認知させること、さらに、有機ELテレビを発表する段階で、巻き返しを図る可能性もあるという。

「高い技術力を持っていますし、Xiaomiは必ずほかにはない尖った機能を入れてきます。これにコスパが加われば、スマホやスマートバンド同様、テレビやロボット掃除機などの家電でも存在感は増していくかもしれません。そうなると競合他社にとっては、脅威になると思いますね」

 今後はXiaomiを迎え撃つ形で、これまでのシェアを守るため、日本の家電メーカーも変化を求められそうだ。

藤山哲人さんテクニカル家電ライター  藤山哲人さん
あらゆる家電を使い込んで比べる体当たり技術系家電ライター。自作測定器やプログラムで家電性能を数値化するのがモットー。『マツコの知らない世界』(TBS系)にもたびたび出演。

注目のXiaomi 家電 LINE UP

スマホ

ハイスペックの3カメラを搭載

Xiaomi『Xiaomi 13T Pro』Xiaomi『Xiaomi 13T Pro』価格未定 『Xiaomi 13T』価格未定

約19分で100%の急速充電に対応するハイエンドモデル。約6.7インチ有機ELディスプレイ、光学望遠、超広角を備えたトリプルカメラを搭載する。2023年12月以降販売予定。
●OS:Android 13 ディスプレイ:約6.7 インチ有機EL、2712×1220(1.5K) バッテリー:5000mAh カメラ:約5000万画素(広角・望遠)、約1200万画素(超広角)、約2000万画素(フロント) サイズ:約W76×H162×D8.6mm、約200g(13T Proアルパインブルー)、約W76×H162×D8.7mm、約197g(13T)

エントリー価格でハイスペック

Xiaomi『Redmi 12 5G』Xiaomi『Redmi 12 5G』2万9800円

約6.8インチのフルHD+ディスプレイを搭載したプレミアムエントリーモデル。メインカメラは約5000万画素で、画面リフレッシュレートは最大90Hz。おサイフケータイに対応。
●CPU:Qualcomm Snapdragon 4 Gen 2 内蔵メモリー/ストレージ:4GB/128GB MicroSDXC対応(最大1TBまで) ディスプレイ:約6.8 インチ、最大2460×1080(フルHD +) OS:Android 13(MIUI 14) バッテリー:5000mAh カメラ:メインカメラ約5000万画素、深度センサー約200万画素 サイズ:約W76×H169×D8.2mm、約200g

タブレット

ビジネスからエンタメまでカバー

Xiaomi『Redmi Pad SE』Xiaomi『Redmi Pad SE』
2万9800円(6GB+128GB)、2万1800円(4GB+128GB)

見やすい11インチのフルHD+ ディスプレイや8000mAhという大容量バッテリーを搭載したタブレットPC。音楽再生は約219時間、動画再生は約14時間の使用ができる。
●サイズ:W167.08×D7.36×H255.53mm、約478g ディスプレイ:11インチフルHD+/リフレッシュレート:最大90Hz/解像度:1920×1200、207ppi プロセッサー:Qualcomm Snapdragon 680 4G Mobile Platform OS:Android 13(MIUI 14 for Pad) リアカメラ:約800万画素 フロントカメラ:約500万画素 バッテリー:8000mAh

スマートバンド

ヘルスケア機能充実のハイコスパモデル

Xiaomi『Xiaomi Smart Band 8』Xiaomi『Xiaomi Smart Band 8』5990円

約1時間でフル充電ができる急速充電に対応したスマートバンド。心拍数や睡眠のモニタリングなどヘルスケア機能も充実。最大16日間バッテリーが持続する。
●サイズ:W22.5×H48×D10.99mm(突起部除く)、27g(同梱ストラップ含む) バッテリー容量:190mAh バッテリー:最大16日間(通常使用モード)防水等級:5ATM センサー:高精度6軸センサー、PPG心拍数センサー、環境光センサー

TV

極薄ベゼル採用で壁掛けも可能

Xiaomi『Xiaomi TV A pro』Xiaomi『Xiaomi TV A pro』
3万2780円(32型)、4万9280円(43型)、6万5780円(55型)、9万3280円(65型)

中国のスマートテレビ市場では4年連続No.1シェアを持つ液晶テレビ。超薄型ベゼルを採用し、32型(HD画質)から65型(4K画質)まで、4サイズをラインアップする。
●解像度:32型/HD(1366×768ドット)、43型・55型・65型/4K(3840×2160ドット) タイプ:LCD リフレッシュレート:60Hz OS:Google TV スピーカー:32
型/10W×2、43型・55型・65型/12W×2 サイズ:32型/W729.1×H478.8×D179.5mm、4.2kg。43型/W957.2×H609.8×D244.4mm、6.9kg。55型/W1225.8×H778.3×D279.9mm、11.2kg。65型/W1446.48×H892.3×D287mm、16kg

ロボット掃除機

日本初登場のロボット掃除機

Xiaomi『Xiaomi ロボット掃除機 S10』Xiaomi『Xiaomi ロボット掃除機 S10』2万4800円

吸引+水拭きのできるロボット掃除機。周囲360度をスキャンして正確なマッピングを実現する。吸引力は4000Paとパワフルで、水拭きはモップヘッドの水分量を調整できる。
●サイズ:φ350×H94.5mm、約4.8kg 運転時間:最大130分間(標準モード) バッテリー:3200mAh

取材・文/安藤政弘

※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2023年10月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。

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