今、国内の新車販売台数で約40%を占めるのが軽自動車。そしてその中でも圧倒的な人気を誇るのが、ハイトワゴン、スーパーハイト系と呼ばれる、全高が高く、室内が広い、両側スライドドアを備えたモデルたちだ。その1台が、初代が2012年に発売されたスズキ・スペーシア。以来、これまでに130万台を売ったスズキのドル箱的存在であり、2022年5月には強敵、ホンダN BOXを抜いて軽自動車販売台数NO.1の座についたこともある超人気モデル。2代目となる先代は、標準車、カスタムに加え、スペーシア ギア、スペーシア ベースといったクロスオーバーモデル、4ナンバーながらアウトドア派や車中泊派などにもうってつけのアレンジ自在の魅力的なモデルを続々登場させ、その地位を確固たるものにしてきた。
まったく新しいスペーシアに生まれ変わった!
そして2023年11月22日、JMS(ジャパンモビリティショー)でほぼ実車のコンセプトモデルが先行発表された3代目スペーシア、スペーシア カスタムが発売された。さっそく公道試乗会に参加し、実車を確認してきた。
最初に説明しておくと、この3代目のプラットフォーム、室内空間や荷室の広さを含むパッケージは先代を踏襲(5mm程度増えているところや10mm程度減っているとところはあるが誤差の範囲)。変える必要がないものは変えていない。が、見ての通り、まったく新しいスペーシアに生まれ変わっているのだ。コンセプトは「わくわく満載! 自由に使える安心・快適スペーシア」で、エクステリアデザインは先代のスーツケースモチーフからコンテナモチーフに変更。それはボディサイドに入るプレスラインのビート形状で表現。Dピラーとボディを同色としているところもコンテナのような大きさ感と頑丈さを演出している。
顔つきは、ワクワクを感じさせる標準車は誰にでも好まれるやさしい印象のLEDヘッドランプ、先代より遥かに立派になったフロントグリル、頑丈な箱を連想させるボディを上下な分割したようなリヤビューが特徴的。
上質感と存在感に磨きをかけたクールなスタイルとなるカスタムは横基調の内部をブラック化したスタイリッシュな薄型LEDヘッドランプを採用するとともに、ポジショニングランプと機能切り替え式となる、光が流れるLEDフロントシーケンシャルターンランプを採用している。リヤビューでは、バックスタイルの存在感を高めるメッキバックドアガーニッシュをあしらうとともに、メッキとクリスタル感あるリヤコンビランプによって、高級感さえ漂うリヤスタイルを印象付けている。
標準車のインテリアは、居心地のいいアウトドアリビングをイメージした、ゆったりと過ごせる空間だ。ブラウンを基調として、アクセントカラーにマットな質感のカフェラテ色をあしらった、ナチュラルなイメージが心地よい。メーターはスピード表示を大きくデジタル化したデザインとなる。
グレードによって装備される後席天井のスリムサーキュレーターの装備は後席の空調環境をより快適にしてくれるポイントとなる。