ヒョンデグループと世界的な自律走行技術のリーダーであるMotionalは、Hyundai Motor Groupイノベーションセンターシンガポール(以下、HMGICS)の開所を祝うとともに、ヒョンデとMotionalが共同開発した全電気式ロボットタクシー「IONIQ 5(アイオニック ファイブ)」が新センターで生産されることを発表した。
このブランド初の量産モデルであるIONIQ 5は、2024年から米国でMotionalの商業サービスの一環として配備される予定としている。
米国連邦自動車安全基準の認定を受けたSAEレベル4自律走行車
また両社は、IONIQ 5が米国連邦自動車安全基準(FMVSS)の認定を受けた最初のSAEレベル4自律走行車(AV)の一つであることを明らかにした。
Motionalの社長兼最高経営責任者カール・アイアグネマ氏は「今回の認証取得は、同車の極めて徹底した開発・試験プログラム、安全性と信頼性、そして高度な自律走行技術を証明するものです」と述べた。
さらにアイアグネマCEOは「HMGICSは輸送革新のビジョン」と述べ、「この施設でIONIQ 5が生産されることを大変誇りに思うと同時に、史上初のFMVSS認定自律走行車を世界に紹介できることを楽しみにしています。厳しい連邦安全基準を満たし、大量商業化の準備が整った業界をリードするロボタクシーを開発できたのは、Hyundaiとの協力関係の賜物です」と強調した。
IONIQ 5の開発から生産までを実現したHMGICSの役割について、同センターの最高経営責任者ジョン・ホンボム氏は、以下のように話した。
「HMGICSは、Hyundai Motor Group初のグローバル・イノベーション・ハブであり、未来のモビリティのための世界的な実証試験施設です。当センターの使命は、先進的で多様な形態の未来型モビリティ・ソリューションを開発・生産することで、モビリティ・バリューチェーンを変革することです。Motionalとの協業によるIONIQ 5の生産を開始することで、モビリティの未来におけるパラダイムシフトの最前線に立つことを志し、継続的なイノベーションの旅に乗り出す所存です」
HMGICSは、高度なオートメーション、リアルタイムのモニタリング、データ評価を組み合わせ、生産の限界を打破しようと取り組んでいる。
また、試験設備やキャリブレーション(校正)センターなど、自律走行車(AV)生産をサポートするHMGICS独自の高度な機能を備えている。
Motionalは、生産を支援するチームを現地に派遣した。彼らは自律走行車統合センターに配置され、必要な診断、ソフトウェア開発、校正、検証作業を行い、IONIQ 5の完成車が厳密な要件を満たし、展開準備が整っていることを確認する。
Motionalとヒョンデグループは、画期的なIONIQ 5の生産に向け、米国とシンガポールで1年以上にわたる限定モデルの試作車の試験を含め、数年間準備を進めてきた。
IONIQ 5の初期型は最近、ロボットタクシーの品質、性能、成熟度とその自律走行技術を実証することを目的とした一連の評価を完了した。IONIQ 5は商業生産に入り、初期モデルはすでにMotionalの米国施設に納車された。これらのEV車は2024年の商業サービス開始に向けて、Motionalの厳格な試験および安全性検証過程を経ている。
Motionalについて
Motionalは、自律走行車(AV)を安全で信頼性が高く、手の届く現実のものにする無人運転技術企業。同社は、スマートモビリティ・ソリューションを提供する世界最大の自動車メーカーの一つであるヒョンデグループと、より安全で環境に優しく、持続可能なモビリティの未来を実現するコネクテッド・ソリューションを開発するグローバル・テクノロジー企業であるAptivとの合弁会社として、2020年に設立された。
Motionalは、スマートフォンのアプリなどで事前に予約できる「ライドヘイル」やデリバリー用途のSAEレベル4自律走行車の開発と商業化を進めている。同社は、ラスベガスでの公共サービスを通じて13万回以上の自律走行を行っており、商用ロボットタクシー事業において比類のない実績を有している。ボストンに本社を置く同社は、米国とアジアで事業を展開している。
関連情報:https://www.hyundai.com/jp/
構成/土屋嘉久