その馴染みやすさや良好な株価パフォーマンスもあって、米国のハイテク株が人気だ。アップルのスマホ、アマゾンの通販、検索エンジンのグーグルや動画サイトのYouTubeなど、米国ハイテク企業のサービスは私たちの生活に欠かせない存在となっている。
また、話題の生成AI向け半導体で急成長するエヌビディアやEVメーカーのテスラなども、その存在感は急速に高まっている。こうした米国のハイテク株への投資に死角はないのだろうか。
三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、同社チーフグローバルストラテジストの白木久史氏による「あなたの知らない『グローバル小型成長株の世界』荒野の七人を待ち受ける過酷な結末」と題したマーケットレポートを公開した。詳細は以下の通り。
世界市場を席巻する「マグニフィセント・セブン」
米国を代表するハイテク企業であるグーグルの親会社アルファベット(G)、アップル(A)、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(F)、そしてアマゾン・ドット・コム(A)の4社の頭文字をとってGAFAと呼ばれているのは皆さんご存じのとおりだ。そして最近では、このGAFAにマイクロソフト、エヌビディア、そしてテスラを加えた大手7社を「マグニフィセント・セブン」と呼ぶようになっている。
直訳すると「壮大な7社」といったところだろうか。ちなみにこの「マグニフィセント・セブン」という名称は、アカデミー賞俳優のユル・ブリンナーが主演した西部劇、「The Magnificent Seven(邦題:荒野の七人)」にあやかりつけられたものだ。
映画の中で7人のガンマンは、貧しい農村で略奪を繰り返す盗賊団を知恵と勇気で撃退する。一方、現代の株式市場で活躍するマグニフィセント・セブンは、圧倒的な重装備でライバルを蹴散らし、各国規制当局の包囲網を物ともせず世界市場を席巻している。
そんなマグニフィセント・セブンの株価は今年に入り好調が続いていて、7社合計の時価増額は昨年末比で約7割も増えている(図表1)。一方、この7社を除いたS&P500種指数の時価総額は年初来でほぼ横ばいの推移が続いており、今年の米国株式市場の反発がマグニフィセント・セブン主導のものであったことが分かる。