「シーリングスタンプ(封蝋)」を知っていますか?
中世ヨーロッパ時代に手紙を封するために使用されていた書簡道具で、文房具やアンティーク好きにとって憧れのアイテムです。
一般的には決して認知度が高いとはいえなかったシーリングスタンプが今、万年筆やインクブームの波に乗りじわじわと注目を集めているとか。
そこで今回は、100円ショップでも手に入るシーリングスタンプの使い方をまとめました。年末年始のこの時期、贈り物のラッピングやメッセージカードの装飾にも使えるのでチェックしてみてください。
シーリングスタンプ(封蝋)とは?
シーリングスタンプ(封蝋)が広まりはじめたのは11世紀頃、主にヨーロッパ貴族の間で日常的に使われていました。
シーリングスタンプは、封をしたい箇所に溶かした封蝋(シーリングワックス)を垂らし、乾く前に紋様が彫られた印璽(いんじ・シーリングスタンプ)を素早く押すことで完成します。
その名の通り、当時はスタンプとシールの両方を合わせたような用途で使われていました。シーリングスタンプを使って封をすることは、その文書が開封されていない証明になったといいます。紋様のデザインにも意味があり、文書の差出人や家柄を証明する役割もあったといわれます。
溶かして使うシーリングワックスと、紋様を押し付けるためのシーリングスタンプはセットであり、本来2つは別のアイテムです。ただし、日本では「封蝋」「シーリングワックス」「シーリングスタンプ」などは同じ意味で使われることも多く、その手法と道具の両方を指す言葉として浸透しています。
印璽は判子のような形のものや指輪になっているものなどがあり、その装飾の美しさから現代ではアンティーク小物としても人気が高いです。
手紙だけでなく瓶などを密閉するときにも使うことができ、現在も装飾としてシーリングスタンプが施されている高級ウイスキーなどがあるのだそう。
ちなみに「大人が泣ける」と話題になった名作アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』では、手紙を入れた封筒を閉じるためにシーリングスタンプが用いられていました。その影響もあってか、最近では文房具好き以外にも広く認知されているとか。
上品で高級感があるため、結婚式の席次表やギフトなど、ラッピングやデコレーション目的に使われることも増えています。
100円ショップ ダイソーとセリアのシーリングスタンプ比較レビュー
ここからは、ダイソーとセリアの2種類のシーリングスタンプを使ってみたレビューを紹介します。
■ダイソーのシーリングスタンプ・ワックス
ダイソーのシーリングスタンプは「バラ」の紋様以外に「王冠」と「ユリ」の2種が、シーリングワックスは「赤色」の他に「銅色」がありました。
どちらも税込110円です。
ダイソーのシーリングスタンプは重厚感のある木の持ち手にアンティークゴールドの面。古道具感があっておしゃれです。
ダイソーのシーリングワックスはキャンドルのような形状で、芯に直接火をつければ使えるため手軽です。
■セリアのシーリングスタンプ・ワックス
セリアのシーリングスタンプは持ち手と面が分解できる仕様で、セットで税込110円です。口コミによるとデザインは全部で4種あるとのことでしたが、筆者が行ったセリアには「ウッド」の1種しかありませんでした。持ち手は「ベージュ」か「ラベンダー」色の2種があり、デザイン4種×持ち手の色2種で計8種あることになります。
シーリングワックスは小さな粒状で、50粒入りで税込110円。売り場にはこちら以外に「ブルー」と「イエロー」がありましたが、こちらもネットの口コミによると全部で7色あるということ。
在庫状況によると思うので、売り場に見当たらない場合は店員さんに聞いてみましょう。
セリアのシーリングスタンプの持ち手はプラスチックで、面は光沢のあるゴールド。ダイソーに比べると少しチープ感がありますが、面の大きさはセリアの方が大きいです。
粒状のワックスは溶かすときに容器を用意する必要があるので、やや面倒ですね。
ただ、色を混ぜてマーブルカラーなどを作りたい場合は粒状ワックスの方が便利です。