日常的にもよく使われる「自尊心」という言葉。近年では、自尊心を高めることの重要性が認知されつつあるが、自尊心の正確な定義については知らない方も少なくないだろう。
そこで本記事では、「自尊心」とはそもそもどのような意味なのかと、自尊心を高める方法について解説する。最後に紹介する自尊心に似た言葉も、併せてチェックしてほしい。
自尊心とは
「自尊心」とは、自分で自分のことを誇らしく思う心のこと。心理学において、自尊心は精神の健康や人間関係の質など、さまざまな影響を与える重要な要素とされている。 また、自尊心は生涯を通じて形成され変化していくもので、家庭や職場の環境、教育などの社会的環境が大きく影響するとされている。
自尊心とプライドの違い
「自尊心」と「プライド」は、どちらも「自分に自信を持つこと」を意味する言葉だが、両者にはニュアンスの違いがある。
自尊心は「他者は関係なく自分で生き方や人格に自信を持ち尊厳を感じること」を意味する。 それに対してプライドは「他者と比較して自分の方が優れていると自信を持つこと」を指す。
「自尊心」はポジティブな意味合いで使われることがほとんどである一方で、「プライド」は例えば「彼はプライドが高い」のように、ややネガティブな意味合いで使われることも少なくない。
自尊心が傷つく原因
「自尊心が傷つく」とは、「自身を尊重できなくなった状態」のこと。 自尊心が傷つく原因としては、自分や他者の言葉に捉われてしまうことが挙げられる。 自分のありたい姿があっても、「これで良いのか」「意外と〜〜ができない人なんだ」と否定的な言葉がけをされると、自分を大切にする感情が薄れてしまう。 また、他人だけではなく、自分自身の否定的な言葉によって自尊心が傷つくケースがあることも覚えておきたい。
自尊心の類語
次に、自尊心と似た意味を持つ言葉を紹介する。
誇り(ほこり)
自分が何かを誇らしく思ったり、名誉に感じたりすること。
【例文】
・今の仕事をしていることを誇りに思っているよ。
・有名企業に採用されるなんて君は一族の誇りだ。
・活躍しているスポーツ選手と故郷が同じであることを誇りに思う。
驕り(おごり)
思い上がり、うぬぼれることを表す言葉。
【例文】
・コンクールで入賞できなかった原因は、自分に驕りがあったからだ。
・彼に驕り発言があるのは、父親が有名な政治家だからだろう。
・最近の自分には驕った気持ちがあった。
自尊心が低い人の特徴
次に、自尊心が低い人の特徴を見ていこう。
否定的に物事を受け止める
自尊心が低い人は、物事を肯定的に受け止められないことが多い。 例えば、友人から「こうした方がいいよ」とアドバイスされただけで、自分の人格を否定されたように感じてしまう。 仕事でも、注意されたことを否定的に受け止めて、思い悩み疲れやすい傾向がある。
すぐに諦めてしまう
自尊心の低い人は、トラブルが起きた時に「自分では解決できない」「自分には無理」とすぐに諦めてしまうことが多い。 自分の能力を低く見積もっているため、挑戦しても何も変わらないと思い込んでしまう。 また、仕事で問題が発生するとすぐに投げ出してしまう人もいる。
落ち込んでしまう
自尊心の低い人は、物事を否定的に受け止めてしまい、失敗した時に「次は頑張ろう」という前向きな気持ちに切り替えることが苦手なケースが多い。「自分はダメな人間だ」と落ち込んでしまうと、モチベーションも低下するため、結果として次もまた失敗しやすくなる、という負の連鎖ができてしまう。
自尊心を高める方法
自尊心の高さは、それまでの生き方や環境、生まれ持った性格から決まる。 そのため、「自尊心が低いから高くしたい」と、意図的に自尊心を高めることは決して簡単なことではない。 しかし、自尊心を高める方法を理解し、考え方を少しずつ変えていくことで、自然と自尊心は高まるはず。最後に、自尊心を高めるための具体的な方法を見ていこう。
自分を受け入れる
自尊心を高めるためには、自分に対して完璧を求めないことが重要だ。人間誰しも弱点や欠点があるのは当たり前。 まずは弱さを含めたありのままの自分を受け入れ、自己を肯定していくきっかけにすると良いだろう。
他人と比較しない
他人と比較してしまうと「自分はここが劣っている」と自身を否定的に捉えることにつながる。他人と比べず、自分の能力に目を向けて自信を持つことが大切だ。
自分の意見を言う
自尊心が低い人は、自分の意見を言えずに周囲に合わせてしまいがち。はじめは自分の考えを周りに伝えることが難しかったとしても、「本当は〜〜だと思った」のような具体的なセリフを考え、言葉にする練習をしてみると良いだろう。この習慣を取り入れることで、 自分の意見を持ち、考えを発言するための準備ができる。
文/編集部