エアコンを取り替する時などで、〝ポンプダウン〟という作業が必要になります。ではいったい、ポンプダウンとはどのような作業なのでしょうか。また、自分でもできる作業でしょうか。
目次
エアコンのポンプダウンとは?
エアコンのポンプダウン(冷媒回収)とは、エアコンの移設や取り外しの時に、コンプレッサ弁の操作により、配管や室内機などに残っている冷媒ガスを室外機に全て移して一時的に保管、持ち運びできるようにする作業のことです。
エアコンのポンプダウンをしないとどうなる?
ポンプダウンをしないと、冷媒ガスが大気中に排出されてしまい、移設先でエアコンが能力を発揮できなくなることがあります。また、冷媒ガスに多く使用されているフロンガスが大気中に排出されてしまうと、地球のオゾン層にダメージを与えて、環境汚染につながる場合があります。
【参考】消防防災博物館
エアコンのポンプダウンは専門業者へ依頼しよう
ポンプダウンを自分で行うと手順を間違えて事故につながる恐れがあります。冷媒ガスが漏れ出ると、補充に別途1万円以上費用がかかったり、環境への負担も生じます。
ポンプダウンの作業だけを請け負う工事業者は少ないので、ポンプダウンを業者へ依頼する時は、エアコンの取り外し標準工事を依頼しましょう。費用相場は4000~6000円です。
エアコンサポートセンターでは、エアコンの取り外し・取り付け業者を紹介してくれます。詳しい値段や作業内容は問い合わせてみましょう。
お問い合わせ窓口 0120-007-217 (受付時間:9時30分~20時)
【参考】エアコンサポートセンター
ポンプダウンの一般的な作業方法
ここで、ご参考までにセパレート形エアコンを取り外す時の〝ポンプダウン〟の作業方法の例をご紹介します。
[1]三方弁のチャージポートに圧力計(ゲージマニホールド)を取り付ける。
[2]二方弁を全開にする。
[3]冷房運転または強制冷房運転させる。(暖房運転では不可)
圧力計がほぼ0PMa(0kgf/cm2)になるまで運転する。
[4]三方弁全開にし、運転を停止させる。
[5]圧力計(ゲージマニホールド)を外し、接続配管を外す。
※このポンプダウンの方法は一般的な例であり、各メーカーにより異なる場合があります。また、強制冷房運転の操作方法は、メーカーごとに異なります。
※ポンプダウンはくれぐれも専門業者へ依頼するようにしてください。
【参考】日本冷凍空調工業会
エアコンのポンプダウンができない原因は?
ポンプダウン作業を行い、バルブを締めてから接続配管を外す時〝プシュッ〟という短い空気音がしたら、ポンプダウン作業が上手くいっています。ですが、〝ブシュー〟と漏れ出るような長い空気音がしたら要注意。ポンプダウン作業が上手くいっていない可能性があります。
【参考】エアコンサポートセンター
エアコンのポンプダウンを失敗して事故が起きることも
エアコンのポンプダウンの手順を間違えて、空気が冷媒回路内に入ったため、室外機が破裂する事故が過去にありました。
その際、室外機はバラバラになったとのこと。幸いけが人はいなかったようですが、近くに人がいれば大けがになりかねない危険な事態。
ポンプダウンはくれぐれも専門業者へ依頼するようにしてください。
【参考】東京くらしWEB|エアコン取り外し中の作業ミスによる事故事例について
※データは2023年6月上旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用はあくまで自己責任にてお願いします。
文/山田ナナ