沖縄やんばるの森を舞台に飛んで冒険して大自然に癒される!2025年開業予定のテーマパーク「JUNGLIA」が目指す〝パワーバカンス〟とは?
2023.12.04■連載/阿部純子のトレンド探検隊
やんばるの森に出現する新感覚のテーマパーク
株式会社刀と株式会社ジャパンエンターテイメントは、沖縄で開発中のテーマパーク「JUNGLIA(ジャングリア)」が2025年に開業されることを発表した。
ジャングリアは、世界自然遺産に登録されている沖縄県北部の「やんばる」の森エリアに位置する、今帰仁村と名護市にまたがるオリオン嵐山ゴルフ倶楽部の跡地を再整備した事業。
既存ゴルフ場跡地の地形を有効活用し開発における環境負荷を軽減、亜熱帯地域の自然環境を活かした、数十を超えるアトラクション、エンターテインメント、バカンスを楽しむリゾート体験を提供する。
足元に広がるジャングル上空を飛ぶジップライン、360度で大自然を感じる気球による遊覧体験、大型の走行車に乗り込んで本物のジャングルに冒険に出るサファリライドといったアトラクションを提供。
施設もジャングリアを一望できる展望デッキ、インフィニティ・スパといった、滞在中にテーマパークを一番良い形で体験できる設計とアートディレクションに徹底的にこだわっている。
「観光魅力度ランキングで1位を獲得した日本ですが、日本の観光客数はポテンシャルに比べてはまだまだ少ない。これは多くのお客さまを迎え入れる社会的インフラが整っていない日本の課題であると考えています。
沖縄北部のやんばるの森のような、観光資源として活用されていない手つかずの自然が日本には多くあります。地域の特徴を生かした産業を作るために必要なのはマーケティングの力だと思って挑戦を続けてまいりました。
ハワイは1950~60年代に計画的、戦略的に開発された結果、半世紀経って世界の観光の宝石といわれるようになりました。沖縄は地理的にも文化、風土的にも素晴らしい観光アセットがあり、ハワイを超える世界一の観光のポテンシャルを秘めています。かつてアメリカ人がハワイに多くの情熱を持って投資をしたように、日本人はもっと沖縄に投資しなければならないと思っています。
沖縄でのテーマパークは、私がユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)在職時に構想し、当時は力及ばず挫折しましたが、どうしても諦められなかったことから刀として再度挑戦してきました。2025年のオープンを迎えれば、最初の構想から15年かけて追いかけ続けてきた事業になります。
観光だけでなく、その先に続く日本の新しい産業構造の在り方にまで波及効果を及ぼしたいという思いで、我々は事業を進めています。
かつてUSJの経営改革を遂げた後に起こった変化よりももっと大きな変化を沖縄北部で起こすためのプロジェクトとして、ジャングリアを成功させたいと思っています」(株式会社刀 代表取締役CEO 森岡毅氏)
ジャングリアのコンセプトは「Power Vacance !!(パワーバカンス)」。沖縄の自然の中に作るテーマパークは、既存のテーマパークのようなアトラクションを楽しむだけのものにはしたくないと森岡氏は話す。
「旅行はお金と時間かけて、人生の記憶に残る体験を求めて行くもの。旅の過程で人を感動させるには、大きな刺激、興奮エネルギーが要ります。感動を最大化するには、自然の中で受ける都会では味わえない体験と、本物の贅沢を提供することが必要になります。
本物の自然とアトラクションとの相互作用の中で起こる興奮と贅沢、この二つを組み合わせたコンセプトが『パワーバカンス』です。沖縄の太陽、風、森、海で思いっきり自分のエネルギーを発散したときに、どこまで自分をリリースできるかを重視したコンセプトなのです」(森岡氏)
【AJの読み】本能を貫かれたような開放感が味わえるテーマパーク
ジャングリアは観光コンテンツというだけでなく、沖縄県の社会問題解決、経済活動促進など、エリアの面的活性化を目指した地方創生プロジェクトでもある。
2020年には名護市、今帰仁村と包括連携協定を締結、2022年には沖縄県と沖縄ブランド強化に関する連携協定の締結や、地元投資型「SCOM沖縄テーマパーク投資ファンド」の組成など、地元と密接な関係を築いて事業を進めている。
共に事業を進めるジャパンエンターテイメントは刀が筆頭株主の企業で、ジャングリアの企画・開発、運営を目的として2018年に設立。アジアの玄関口である観光のフロントランナーとして、沖縄から日本の観光産業を変革すべく、沖縄北部地域経済への貢献、沖縄県観光産業への貢献、観光立国日本経済への貢献を目指している。
発表会で公開されたアトラクションや施設は一部であり、開業当初の敷地面積は60ヘクタールと、USJ(54ヘクタール)より広い。想定滞在時間は半日以上を想定し、終日滞在してもすべてを回りきれないほどのコンテンツを提供する予定だという。
敷地外にはジャングリアと同等の広さを持つ拡張エリアもあるとのことで、すべての面積が120ヘクタールと想定すれば、東京ドーム約25個分の広大なテーマパークになる。
アトラクションのひとつであるサファリライドは、実際に森を走っていると恐竜に遭遇するというものだが、一体どのような仕掛けが?
「本物のジャングルに大冒険に出かけて、わくわくドキドキを究極まで増幅させるために世界最新技術を使ってみなさまをおもてなしします。
ただし、ジャングリアのテクノロジーはバーチャルリアリティーのデジタルテクノロジーとは異なり、興奮と贅沢感を引き立てるための脇役だと考えております」(株式会社刀 エグゼクティブ・ディレクター マーケティング/株式会社ジャパンエンターテイメント CMO 森崎菜穂美氏)
「本能を貫かれたようなとてつもなく気持ちのいい開放感」「日常で得られる癒しとは全く異なる強大なマグニチュードを持った癒し」(森崎氏)が味わえる、パワーバカンスを体現するジャングリア。その興奮と感動は実際に体験してみないとわからないが、ジャングリアは、世界のツーリストの目を沖縄に集める起爆剤になることは間違いない。
動画・画像提供/ジャパンエンターテイメント
文/阿部純子