エミライは同社が展開するFIIO Electronicsの新製品として、開放型ヘッドホン「FT5」を2023年12月1日より発売を開始する。価格はオープン価格。予想実勢価格は約7万9200円(税込)。
90mm径の大型平面磁界ドライバーが低歪み&広大な音場感を実現
FT5のドライバーには、FIIO初となる90mm口径の大型平面磁界ドライバーを搭載。マグネットに挟まれた極めて質量の少ない振動板を面全体で駆動する平面磁界方式によって、分割振動による歪みを排除しながら、7Hzから40kHzの広帯域にわたって過渡応答に優れたサウンドを生み出す。
■6μmの振動板と銀・アルミ混合素材によるプリントコイル方式を採用
FT5で採用された振動板では、厚さ6μmのPAR素材振動板が採用されている。
さて通常、平面磁界方式では磁石に挟まれた振動板を駆動するため、素材に金属素材を設置するプリントコイル方式を取り入れている。金などの重い金属を採用すると振動板の重量が増してしまうからだ。
FT5の振動板では、これを銀を含有したアルミ素材を半導体技術を用いて正確にプリントしている。その結果、優れた導電性と振動板重量の軽減を両立させ、自然で歪みのない優れた音質が得られるという。
合計20本のネオジムマグネットにより強力な平面磁界を形成
FT5では、振動板がストレスなくバランスの良い駆動を行えるよう、チャンネルあたり20個のネオジムマグネット素材を採用。具体的には約1.5テスラの磁束密度をもつN52ネオジムマグネットをフロントに11個、リアに9個配置して、プリントコイルを挟み込む構造となっている。
この効率的なマグネットの配置により、振動板のポテンシャルを最大限まで引き出していくのだ。
■鳴らしやすさを追求した高感度・低インピーダンス設計
従来の平面磁界方式では感度が低く、十分にドライブするためには大規模なアンプが必要という課題があった。
この課題にに対してFT5では、6μmの薄型振動板とプリントコイル、強力な磁界によって、110dB/1Vrms@1kHzの高感度、ならびに36Ωの低インピーダンスを獲得。
ポータブルプレーヤーや低出力のアンプであっても十分にドライブが可能で、どのような環境下でも製品の魅力を余すことなく体感できる。
■ドライバーの背圧を効果的にコントロールする開放構造
FT5では、ハウジングの背面を密閉せず背圧を効果的に抜くための開放構造を採用している。空気の流れを緻密にコントロールして、高い解像度と自然な音色を実現する、独自の渦巻きデザインを導入している。