メルセデス・ベンツの電気自動車で聴く“空間オーディオ”
メルセデス・ベンツの電気自動車「EQS SUV」。既存のエンジン搭載車で培ってきた、「静かで滑らかかつパワフルな乗り味」はモーター駆動化で顕著に。ブルメスターのサウンドシステムを搭載し、Apple Musicのユーザーならドルビーアトモスを体験できる。
複数のスピーカーで空間を取り囲んで立体的な音響表現を行うサラウンド音声は、技術の進化によって、音が移動する様を水平方向だけでなく垂直方向にも明確にすることができるようになった。それがオブジェクト・オーディオと呼ばれる最新技術であり、ドルビーアトモスの大きな特徴となっている。
この革新的な技術は、すでに映画の世界でハードとソフト両面を導入することで体験できるようになっているが、さらに体験型のデジタルコンテンツでも積極的に取り入れられている。そして車載オーディオの分野でも。
すでに@DIMEでも報じているとおり、メルセデス・ベンツは2022年10月、 “空間オーディオ”に対応したApple Musicを体験できる車種の導入を発表した。今年、搭載車種であるメルセデス・ベンツの電気自動車「EQS SUV」を試乗した際に試聴したが、静粛性に富み、上質な設えの電気自動車という環境でドルビーアトモスの効果は存分に発揮されていたように感じられた。小音量でも確かな臨場感を得られるだけでなく、中音量ではステージの中にいるような、きわめてクリアでVR的な感覚だった。
移動する車内そのものがエンターテインメントになる
オプションのショーファーパッケージを装着した、「EQS SUV」の室内。エンターテイメントの幅を広げるオプションが揃うメルセデス・ベンツは、サウンド体験の場としても理想的。
またもや古い話になるが、カセットテープで聴いていた時代の車載オーディオはヘッドユニットに音を視覚化したスペクトラムアナライザーが装備され、リアスピーカーにはオーディオブランドのロゴが発光する仕掛けもあった。
当時はちょっとした自己PRみたいなものだったが、今思えば、それは音楽を聴くだけにとどまらないサウンド体験の可能性を示す萌芽だったのかもしれない。音楽は空間を支配するだけでなく、ビジュアルやアーティストのパフォーマンスによって明瞭な“一度かぎりの体験”となり、日常と非日常の架け橋となる。
「#Unheard~」はそれを若い世代にも共感しやすい形で表現したものであり、メルセデス・ベンツもまた、いち早く電動化に舵を切り、持続可能な社会の実現に向けたモビリティの可能性を追求する一環として、移動の道具にとどまらないドライブのエンターテインメント性を示しているのだ。前出の瀬戸氏はこう語っている。
「車内でドルビーアトモスを体験できるというのは、今後の自動運転などの発展を考えると、目的地まで映画館と同じ環境で映像と音響を体験できたりする未来が想像できます。
音楽もイマーシブ音源(編集部注:スピーカーを多数配置したりヘッドフォン再生では特殊な処理を行うことで全方位から音が聴こえる「イマーシブ オーディオ」のこと)の再生にも対応できたり、次世代の音楽体験も手軽に手に入りますね。これは、通常自宅で音響環境を準備するよりコストパフォーマンスが高く、音量を気にせず自分の世界に没入できるという一石二鳥のメリットもあると思います」
トレンドの流れをいちはやく察知し、スマートなライフスタイルを実践する皆さんも、ぜひメルセデス・ベンツの最新モデルでドルビーアトモスを体験してみては?
問い合わせ先
メルセデス・ベンツ
https://www.mercedes-benz.co.jp/
TEL:0120-190-610
文/櫻井香
出版社で男性誌の編集を務めたのち独立。自動車、ファッション、男性美容などライフスタイル全般からサブカルチャーまで幅広く企画・編集・執筆。